2014年6月26日18:58
ビザ・ワールドワイド(Visa)は、イオンフィナンシャルサービスとイオン銀行による日本初のICカード取引の国際標準規格(EMV)仕様ATMの導入に向けて、認証やテスト過程において協働してきたと発表した。
Visaは、偽造詐欺によるカードの不正利用の削減を目指し、セキュリティ施策の一環としてPOS端末およびATMのEMV ICチップ対応(IC化)を推進している。これまで店頭でのショッピング分野では10年以上にわたり、POS 端末のICカード対応が議論され、端末のIC化対応が世界的なレベルで取り組まれてきた。一方、ATMのIC化対応はいまだ遅れているのが現状だ。
2013年2月5日に、ATM取引の偽造詐欺に関して、アクワイアラやカード発行会社(イシュア)のうち、IC化対応を行っていない会社に対して、ライアビリティー(債務責任)を課すルール、「グローバルEMVライアビリテイシフトルール」の変更を発表した。その結果、現在ATMでの不正取引におけるカード発行会社のライアビリティーは、ICチップの偽造カードがICチップ対応していないATMで使用された場合、ATMアクワイアラが偽造詐欺に関わる損失を負担することとなる。日本においては、2017年10月より同ルールの適用が開始される。
今回のイオンフィナンシャルによる発表は、全世界で進捗するIC化対応の計画に沿ったものであり、日本において先行した事例となる。Visaはこれを歓迎するとともに、この流れを加速する取り組みを行い、カード取引の安全性向上に努めていくという。
日本は2020年東京オリンピック開催に向け、海外からの来訪者のさらなる増加が見込まれており、決済システムの利便性、信頼性および安全性を確保することが、決済システムにかかわるすべての関係者から求められている。
海外発行カードを受け入れるATMにおいて、セキュリティと相互運用性に優れたIC化に対応することは、国際基準にあわせた重要な施策となるとしている。