2014年7月16日9:12スマホを利用した新しい財布「モバイルウォレット」のカテゴリーは? 世界各国でさまざまなプレイヤーがサービスを提供
「モバイル財布(ウォレット)」という言葉をニュースサイトなどで目にする機会が増えた人は多いだろう。
モバイルウォレットは、電子財布(デジタルワレット)の一種で、主にスマートフォン上にクレジットカードや電子マネー、IC乗車券、プリペイドカードなどの決済機能やポイント特典などのリワードプログラム機能、クーポン機能、バウチャー機能、各種優待サービス機能を“財布”(Wallet)に見立てたアプリケーションを用いて一元的に管理し、リモートまたはNFCなどの近接型のモバイル決済の効率化とセキュリティの向上、ユーザーの利便性を高めるソフトウェアを用いたプログラムとなっている。
また、モバイルウォレットは、VisaやMasterCard、American Expressなどの“オフラインカード”と“オンラインカード”、ブランドプリペイドカードやギフトカードなどの“オンラインプリペイド”、コンタクトやコンタクトレスのIC電子マネーなどの“オフラインペイメント”といったように、オンラインとオフラインの世界が合流して形成・統合された“マルチチャネル”と言えるだろう。
モバイルウォレットのプロバイダーのカテゴリーとしては、以下の分類が行われているケースもある。まずMerchant Customer Exchange(MCX)やPaydiant、スターバックスといったマーチャントが挙げられる。また、USバンク(USBank Wallet)やチェース(CHASE Liquid)、韓国金融通信&決済院(KFTC)のデジタル財布(Bank Wallet)といった「金融機関」(Financial Institutions)のウォレットも数多くリリースされている。さらに、ファーストデータやFiservなどの「ペイメントプロセッサー」(Payment Processors)、ISIS(ISIS Wallet)やSprint(Sprint Touch)、SKテレコム(Smart Wallet)などの「ネットワークキャリア」(Network Carriers)、PayPalやAmazon、Square、Google、Appleなどの「テクノロジー企業」(Technology Companies)、Visa(V.me by Visa)やMasterCard(MasterPass)、American Express(Serve)、JCB(JCB Mobile Wallet)などの「ネットワーク団体」(Network Associations)が挙げられる。
レポート「モバイルペイメント要覧」では、世界の5大メジャーカードブランドのモバイルウォレット、マスターカードの“MasterPass”やVisaの“V.me by Visa”、アメリカン・エキスプレスの“Serve by American Express”、中国銀聯の“中国銀聯銭包”、JCBの“JCB Mobile Wallet”を紹介する。また、2012年8月に立ち上げられた大手小売事業者によるモバイルペイメントのアライアンスであるMCXと世界最大の小売業であるWal-Martの”Bluebird”アカウントについて取り上げている。
さらに、PayPalやAmazon、Google、Apple、マイクロソフトといったハイテックの巨人、SquareやCor Fire、Moneta、Dwolla 、MeaWalletとったテクノロジー企業、ペイメントプロセッサーのFISの取り組み、加えて、ISIS、Touch、Quick Tap、Smart Walletといったネットワークキャリアのサービスについても紹介している。