エスキュービズムの考えるO2Oとオムニチャネルの違いとは?

2014年10月14日0:00

中堅・中小も含めた小売業のO2O/オムニチャネルを支援
タブレットPOSを活用して既存顧客のリピート率向上を目指す

エスキュービズムテクノロジー(Sテック)は、ECシステム構築パッケージ「EC-Orange POS」、タブレット業務アプリ「Orange tabletシリーズ」の販売および開発などの業務を行っている。小売り・外食を中心に「1000社程度の実績」を築いているそうだ。Sテックでは、2014年10月10日、同社サービスの紹介、O2O/オムニチャネルの現状、導入事例を説明したプレスセミナーを開催した。

「Orange tabletシリーズ」は3,449店舗で採用
アルバイトでも使いやすい機能を意識

Sテックでは、タブレットPOSレジの構築金額のシェアで№1の実績を誇るという。また、単純なPOSシステムの提供にとどまらず、店舗業務革新ソリューション、ECと連携したO2O、オムニチャネルを実現できるサービスを意識している。レジ以外の業務として、「予約から、接客・注文受付、配送、在庫管理までいろいろなソリューションを揃えている」とエスキュービズムテクノロジー 代表取締役社長 武下真典氏は自信を見せる。主力製品となる「Orange tabletシリーズ」は現在、3,449店舗で利用されており、「1店舗から大手まで幅広く導入されている」そうだ。

エスキュービズムテクノロジーが提供するプロダクト
エスキュービズムテクノロジーが提供するプロダクト

強みとなる特許技術として、飲食店で店員が注文を受け付ける際、すべてのメニューを2タップで表示でき、キッチンへ即座に注文できる「2タップオーダー」、店頭で会員登録や配送先登録を行う際、地図をタップすれば郵便番号を逆引きして住所が自動入力される「地図から逆引き」を有している。

エスキュービズムテクノロジー 代表取締役社長 武下真典氏
エスキュービズムテクノロジー 代表取締役社長 武下真典氏

「Orange tabletシリーズ」は機能的にはレガシーPOSに寄せているが、素人でも使いやすいUIのため「アルバイトなどの店員でもハードルなく利用できる」と武下氏は説明する。すでに1時間に400会計をさばく店舗も登場している。また、Sテックのパッケージでは、オープンソース(EC-CUBE)を利用しているため、他社システムとの柔軟な連携が可能で、特定のベンダーに依存しないシステム開発ができるという。

ポイントの共通化を検討する企業が増加
O2Oは初回客、オムニチャネルはリピーター客がターゲット?

Sテックでは、店舗のニーズに合わせてECサイト、O2O、オムニチャネルまで支援している。すでに大手企業数社でネットとリアルの連携が実現できているそうだ。オムニチャネルというキーワードは2012年頃から言われはじめていたが、セブン&アイ・ホールディングスをはじめ、現在は大手小売りでも積極的に取り組まれている。

Sテックでは、小売24社を訪問し、オムニチャネルへの取り組みを調査。その実態を「オムニチャネル構築実体レポート2014」としてまとめている。

その結果、小売企業はO2Oとオムニチャネルをそれほど差別化していないことが明らかとなった。また、クーポンやポイントの導入によりO2O施策で会員獲得、来店増という成果は出ているが、客単価向上やリピート率改善には課題があるそうだ。店舗にとっては、新規顧客の獲得よりも既存顧客のリピート率が課題となっているケースが多かった。

O2O、オムニチャネルに取り組んだ効果は?
O2O、オムニチャネルに取り組んだ効果は?

さらに、これまでポイントを共通化していなかった企業の半数が今後共通化を検討。ネットとリアルを横断して顧客を囲い込む意識が高まっているそうだ。

ポイントカードは店舗とECサイトで共通化しているかという質問
ポイントカードは店舗とECサイトで共通化しているかという質問

Sテックでは、O2Oは初回客、オムニチャネルはリピーター客がターゲットになるとしている。小売各社では、O2Oにより、短期的な成果がでることがわかったため、よりリピーターを獲得可能なオムニチャネルへと弾みがついたという。今後、中堅小売りや外食は、広くたくさんの顧客を集める時代から、自社に適した顧客を選ぶ時代になるそうだ。

O2Oとオムニチャネルの違い
O2Oとオムニチャネルの違い

丸善&ジュンク堂では店頭受取を5人に1人が利用
プラザクリエイトはRポイントカードに対応

説明会では、Sテックの顧客のオムニチャネルや業務革新事例も紹介。オムニチャネルの事例となる丸善・ジュンク堂では、Amazonよりも品揃えが多く、Amazonよりも早く手に入る書籍ECサイトをコンセプトとしている。同社ではオンラインで注文すると、1時間で店舗から連絡がきて書籍を取り置きしてくれるシステムを構築。仮に絶版本でも全店100店舗から在庫を探すことができる仕組みとなっている。現在は、利用者の5人に1人が店舗取り置きを選択。また、店舗に来店させることで、ついで買いにつながったそうだ。

丸善・ジュンク堂の事例
丸善・ジュンク堂の事例

ハードオフコーポレーションでは、中古品の査定を店舗で行い、POSレジに登録するとそのままオンライン販売サイトに商品がアップされる仕組みを構築。従来は買い取った店舗でしか販売ができなかったため商圏が限られていたが、現在は中古商品愛好家がターゲットとなるため、マッチング率が向上した。

ハードオフコーポレーションの事例
ハードオフコーポレーションの事例

店舗の業務革新としては、プラザクリエイトが10月1日からスタートした楽天の共通ポイントカード「Rポイントカード」に対応したタブレットタイプのPOSレジを日本で初めて開発。600店舗を他社製のPOSレジからタブレットPOSに変更したそうだ。プラザクリエイトでは、Rポイントカードの利用先として、ハガキの購入や写真の印刷の店舗利用を想定している。

プラザクリエイトの事例
プラザクリエイトの事例

また、サニーテーブルが運営するレストラン「Casita」では、システムを「Orange tablet」に切り替え、2015年1月の麻布店を皮切りに全店導入を行う予定だ。「Casita」では、マニュアルを超えた接客を実現するために導入に至った。

サニーテーブルが運営するレストラン「Casita」の事例
サニーテーブルが運営するレストラン「Casita」の事例

なお、「Orange tablet」では、複数のスマートフォン決済サービスを提供する企業と連携している。武下氏は、「GMO Palletを提供するGMOペイメントゲートウェイとも連携を予定しています」と話す。

時間を気にせず商品を受け取れる宅配ボックス「スマート宅配ボックス」を開発
スマホのBluetoothを利用してドアの開錠が可能に

そのほか、新商品として、注文した商品がいつでもどこでも受け取れる宅配ボックス「スマート宅配ボックス」を紹介。同商品は、10月21日開催の「オムニチャネルカンファレンス」で正式に発表されるそうだ。現在、共働き世帯の増加や核家族化により宅配時の不在率も高まり、再配達コストも増加している。また、保冷機能付きの宅配BOX、配送状況がリアルタイムにわかるサービスや仕組みが求められているという。

宅配ボックス「スマート」のイメージ
宅配ボックス「スマート宅配ボックス」のイメージ

「スマート宅配ボックス」は、保冷も可能で、電池で動くため、屋外利用にも対応している。利用者は、スマートフォンをかざすとBluetooth通信により鍵が解錠され、荷物を受け取ることが可能だ。また、開錠Paasをメールで通知するという。

Sテックでは、本格的な展開に向け11月から、サイバーエージェント・ベンチャーズと新宿住友ビルで実証実験を開始予定となっている。

なお、Sテックでは10月21日に「オムニチャネルカンファレンス」を開催する。

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