2015年1月22日8:52世界屈指の送金事業者、ウエスタンユニオン(Western Union)の取り組みは?
米国・コロラド州エングルウッドに本拠を置くウエスタンユニオンは、160年にわたりビジネスを展開する国際的な送金事業者だ。個人間送金、ビジネスの支払いなど、世界中で安心・安全な送金サービスを提供している。日本でも140カ所以上ある取扱店をはじめ、セブン銀行の約2万台のATMやインターネット/モバイルバンキング、約8,800カ所あるファミリーマートに設置の専用端末「Famiポート」から、送金サービスを提供している。同社のサービスについて、Senior Vice President General Manager WU Digital Khalid Fellahi氏に話を聞いた。
世界200カ国でビジネスを展開、50万店舗と提携
個人間送金、BtoBの送金を展開
――まずは貴社のビジネスについてお聞かせください。Khalid Fellahi:
弊社は国際的な送金事業者で、多くが国境を越えた送金となっています。現在、200カ国で送金ビジネスを展開しており、50万店舗と提携しています。オンラインサービスは24カ国で行っています。例えば、フランスはアフリカとのコネクションが深いように大きな市場で、湾岸地域は、インド、インドネシア、バングラデシュなどの多くの方が働いています。日本では数年前からビジネスを開始しましたが、大きなポテンシャルがあり、非常に伸びています。
――提供している送金サービスについて、お聞かせください。
Khalid Fellahi:まず、消費者向けサービスで、個人から個人への送金となります。例えば、外国で仕事をされている方が本国に送金する、また「Cash to Cash」で、提携している店舗などから世界中に送金することが可能です。日本ではセブン銀行と良いパートナーシップを構築しています。さらに、セルフサービスマシンがあり、利用者自身で送金することが可能です。日本のファミリーマートではそのサービスを行っています。
最近ではオンラインやモバイルから送金する方も増えています。特にデジタルビジネスという観点からいくと、モバイルは非常に伸びています。例えば、米国において、デジタルビジネスのモバイルの占める割合は30~40%になります。お客様にとっても非常に簡単なトランザクションであり、便利に利用されています。
また、モバイルアプリケーションを利用した送金はここ数年利用者が急激に伸びており、銀行口座に送金するサービスを50カ国で展開しています。
個人間送金に加え、企業向けの支払いサービスも行っています。こちらは、ウエスタンユニオンビジネスソリューションというディビジョンがあります。例えば、米国の企業でインドネシアからコーヒーを輸出している場合、インドネシアにあるサプライヤーにお金を支払う業務を競争力のあるサービスとして行っています。また、イギリスやカナダの大学に留学した場合、その費用を本国から送金することができます。
パートナーと連携した日本での展開で成果
オンラインサービスの提供を目指す
――現状の送金の規模についてお聞かせください。Khalid Fellahi:
消費者から消費者へは2013年は800億ドルです。また、企業から企業を含めると、1,800億ドルになります。コンシューママーケットにおいては、市場全体で6~7%年率で伸びています。また、BtoBについては、弊社のマーケットシェアはそれほど大きくはありませんが、戦略的に強く伸ばしていきたいと思います。BtoBを伸ばすため、カスタムハウス、トラべレックスの1部門を買収し、強化しています。
――日本市場についてはいかがでしょうか?
Khalid Fellahi:日本では非常にいいチームを持っており、セブン銀行や電算システムと非常に良い関係を構築しています。日本の市場はオンラインマーケットであるため、我々もオンラインでのサービスを提供できるように努力しています。現状では展開できていませんが、将来的には展開していきたいですね。
※取材は2014年11月2~5日まで開催の「Money20/20」にて