2015年6月10日0:16
決済代行業界の圧倒的な№1を目指すGMO-PGが三井住友銀行等と資本業務提携
2020年に100億、2025年に250億の経常利益を想定
決済処理事業者のGMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)は、2015年6月9日、三井住友フィナンシャルグループ、三井住友銀行、GMOインターネットと資本業務提携すると発表した。GMO-PGでは、GMOインターネットおよび三井住友銀行から約80億円の出資を受けることで、決済領域において、日本をリードする経営基盤を構築。2015年10月には決済処理事業を提供するジョイントベンチャーを設立する予定だ。
10月に三井住友銀行と決済代行ジョイントベンチャー設立へ
独自のFintech展開も予定
今回、GMOペイメントゲートウェイは、GMOインターネットと三井住友銀行を引受先とした第三者割当増資を実施し、約80億円を調達する(それぞれ約40億円)。三井住友銀行は125万800株を取得し、3.36%の所有議決権を保有する。具体的な資本提携の目的は、日本をリードする圧倒的№1の決済処理事業者を目指した「決済代行ジョイントベンチャーの設立」、マネーサービスビジネス(MSB)拡大に向けた資本増強、③経営資源の相互活用による新たな決済サービスの創造を目指す――という3点となる。
10月に設立されるジョイントベンチャーは、GMO-PGの営業リソースや「PGマルチペイメントサービス」のシステムを活用する。また、地方をはじめ、数多くの加盟店との接点を持つ三井住友銀行から顧客の紹介を受ける予定だ。売り上げ目標については、今後詳細に詰めていくという。GMO-PGは、国内を代表する決済処理事業者の1社となり、決済専業事業者として唯一の東証一部上場企業となっている。現在も約5万4,000の加盟店に決済サービスを提供しており、上場以来増収増益を継続するなど、経営も堅調だ。これまでのGMO-PGの営業力、イプシロンのインバウンドによる取り込みに加え、メガバンクグループからの顧客開拓チャネルが加わることは、大きな強みとなる。
同社の2015年度の経常利益は30億円を予測しているが、2020年前後に100億円、2025年前後に250億円を達成させるために、今回の提携は必要不可欠だったという。なお、ジョイントベンチャーには、GMO-PG、三井住友銀行からそれぞれ5億円を出資し、最終的に10億円となる予定だ。
また、GMO-PGのビジネスは、今後もEC市場の拡大を背景に継続的な成長が見込まれるものの、金融技術とIT技術との融合(FinTech)によりもたらされる多様な決済ビジネスへの取り込み、EC化率の成長に伴い、金融事業パートナーとのさらなる関係構築が求められる。
「後払い」や「トランザクションレンディング」を強化
三井住友銀行と業務提携を行った理由とは?
GMO-PGや関連会社のイプシロンにとっても、加盟店のキャッシュフロー改善を目的として早期に資金を提供する「早期入金サービス」、非対面決済を行う加盟店で成長途上にある優良企業に貸付資金を提供する「トランザクションレンディング」、債権買取型の後払い決済サービス「GMO後払い」といったサービスの拡大による増加立替資金もしくは運転資金が必要になると予想される。
GMOペイメントゲートウェイ 代表取締役 相浦一成氏によると、三井住友銀行と業務提携を行った理由は大きく3つあるそうだ。1つめはスピード感がある点、2つめはEC分野に対して今後積極的に投資もしくは参入を考えている点となる。そして、3つめは、アッパーマネジメントとの意思・疎通がうまくでき、信頼関係を構築できた点だ。今回の提携を機に、三井住友銀行との連携をさらに深めていきたいとしている。
ジョイントベンチャーについては、スタート当初は20~30名の規模となり、GMO-PGと三井住友銀行からそれぞれ半数程度の人数が赴く予定。銀行には、さまざまな情報が集約され、今後もECのニーズは拡大することは間違いなく、GMO-PGとしても新たな加盟店を取り込める。
また、三井住友銀行にとっても、EC決済のサービスを強化できるメリットがあるため、「両社が力を合わせて取り組みたい」と相浦氏は意気込みをみせる。 また、トランザクションレンディングについては、「あくまでも弊社は成長資金を提供します。たとえば、規模が大きくなった際は銀行からの投資となり、それはお客様(加盟店)のニーズや目的に応じて振り分けられる」と語り、お互いに歩み寄って、円滑に話を進めていく方針だ。 中長期的には、お互いに投資を行うなど、さらなる成長が予測されるEC市場で新しいイノベーションを起こしていきたいとしている。