2016年3月7日19:10
大日本印刷(DNP)は、2016年3月7日、フューチャーリンクネットワーク(FLN)と協業して、自治体や商店街が推進する地域通貨や地域共通ポイントの導入支援事業を開始すると発表した。
近年、地方創生や地域活性化に向け、全国の自治体や企業が、地元商店街で使える地域通貨や地域共通ポイントなどの普及拡大や利便性の向上に取り組んでいる。また、ICカードを活用したプレミアム商品券の電子化、ボランティアや健康・エコ関連の活動に応じて付与される官民連携ポイントなど、地域ICカードの活用が拡がっている。
今回DNPは、全国310市区町村(2016年1月現在)の地域情報ポータルサイト「まいぷれ」を運営するFLNと協業して、地域情報ポータルと地域通貨や地域共通ポイントを活用して地方創生を支援する事業を開始する。また、地域内で流通する地域通貨を利用することで特定地域内における産業や商店街を活性化し、地域情報ポータルと連動することで地域と生活者を繋ぎ、コミュニティ内のコミュニケーションやボランティアなどの市民活動を支援するという。
具体的には、DNPが決済端末やクラウド環境で管理するシステムの提供およびシステムと連動した新サービスの開発を行い、FLNは同サービスの各地域への販売と運営事務局を担う。各地域とのつながりが深く、地域通貨や地域共通ポイントの運用実績を持つFLNと、決済関係のサービスの開発・運用に強みがあるDNPとの協業により、効果的に自治体や企業等の負荷を低減するとしている。また、地域通貨・地域共通ポイントサービスと地域情報ポータルサービスとを連携することにより、地域サービスの質の向上につなげていくそうだ。
地域の通貨や地域共通ポイントのサービスを提供する店舗等では、DNPが開発したシンクライアント型スマートフォン決済端末を使用する。決済端末の機能はサーバー側での端末管理やサービス設定を一元化し効率化することにより、決済端末を導入する店舗の負荷を軽減するという。また同端末は、通信可能な環境であれば屋内外を問わず利用できるため、屋外でのイベントなどでも活用可能だ。
また、生活者は、地域通貨や地域共通ポイントのほか、地域貢献活動のボランティアポイントなどの複数のサービスを1枚のカードで利用できるFeliCaポケットの機能を搭載した地域ICカードを利用する。FeliCaポケットは、カード発行後にもサービスの追加や削除を行うことが可能で、サービスごとに異なる鍵で管理しているため高セキュリティ性を確保できるそうだ。
今後両社は同サービスの実証実験を重ねながら、2016年7月に本格的なサービスを開始する計画となっている。また、プレミアム商品券や電力自由化などを行う地域企業の支援としても本支援事業を展開し、DNPは2016年度からの5年間の累計で約40億円の売上を目指す。