2016年3月17日9:00
国際ブランドは成長率が鈍化しているが、それに危機感を覚えたMasterCardは英国決済プロセッサにTOBを仕掛けた。という噂が流れている。
相手は英国のボーカリンク(Vocalink)。提示額は10億ポンド(1,600億円)だ。
ボーカリンクは英国の銀行ネットワークであるファスタペイメントメンツ(Faster Payments)や、携帯電話番号と銀行口座を紐つけて携帯電話番号で送金できるペイエム(Paym)のシステム運営会社である。
ボーカリンクの株主はバークレイズやHSBC、ロイズ銀行、RBSなど主要17行。英国金融当局は大手主体の運営体制では革新は生まれない、と苦言を呈し、中小銀行の参加を呼びかけている。そこにMasterCardが乗込んだという格好だ。
ファスタペイメンツは、米国や日本の銀行決済ネットワークのベンチマークになっている存在。ボーカリンクはシンガポールや米国とすでに契約済みだ。10億ポンドでは安すぎる。