モバイルNFC決済はトークン化とHCEで普及が加速、次世代技術も紹介(Visa)

2016年4月11日10:26

Visaは、2016年2月に開催された「Mobile World Congress2016」において、モバイルを活用した決済等、次世代技術を紹介した。

EMV決済のトークン化仕様に基づくモバイルサービスが広がりを見せる
トークンとHCEで多層のセキュリティを実現

Apple Pay、Samsung Pay、Android Payなどが登場しているように、モバイル決済は世界中で注目を浴びている。これらのサービスはトークンサービスを利用しており、セキュリティの高いモバイル決済サービスを可能にしている。

「NFCモバイルペイメントで利用されているトークン技術は、EMV決済のトークン化仕様に基づいています。モバイルペイメントへの対応を迅速にでき、シンプルで、グローバルのスタンダードが世界中で利用できます」(Visa リスク・プロダクツ&ビジネス・インテリジェンス シニア・ヴァイス・プレジデント マーク・ネルソン〈Mark Nelson〉氏)

Visa リスク・プロダクツ&ビジネス・インテリジェンス シニア・ヴァイス・プレジデント マーク・ネルソン〈Mark Nelson〉氏
Visa リスク・プロダクツ&ビジネス・インテリジェンス シニア・ヴァイス・プレジデント マーク・ネルソン〈Mark Nelson〉氏

また、クラウド上で機密データを扱う「HCE(Host Card Emulation:ホスト・カード・エミュレーション)」の技術も複数のサービスで採用が始まっている。

一部では、HCEはハードウェアソリューションに比べてセキュリティ面で課題があるという意見もあるが、「仮にトークンが盗まれたとしても、クリプトグラム(カード番号を別の乱数に置き換えた暗号文)により、そのトークンは他の携帯では使用できません。多層のセキュリティにより、安全性を確保しています」とネルソン氏は口にする。

Visaでは、2年前の「Mobile World Congress2014」で同社の非接触決済「Visa payWave」のクラウド対応を発表しており、同サービスのモバイル対応でもトークン化技術とHCEを活用することが可能だ。

また、加盟店に設置する決済端末も、国際標準規格 ISO/IEC14443「TypeA/B」に準拠した非接触型IC決済サービスを受け入れる加盟店であれば、世界中どこでも利用できる。

海外における非接触決済の状況を見ると、米国市場ではアクセプタンスが伸びている段階だ。米国では、非接触決済が利用できる端末は多いが、アクティブになっていない筐体もあり、まだまだ市場は小さい。一方、オーストラリア、カナダ、欧州のイギリスなどでは非接触決済の利用が進んでいる。

例えば、オーストラリアは世界でもっとも非接触決済が普及しており、70%がコンタクトレス取引となる。また、近年ではオーストラリアの多くのイシュア(カード発行会社)が次のステージとしてモバイル決済に取り組んでいる。今後はオーストラリアのように、ユーザーの習慣が変わることで、徐々に非接触決済、モバイル決済を利用する人が増えるとみている。

非接触決済に対応したSquareリーダーを展示
非接触決済に対応したSquareリーダーを展示

QRコードを活用した「mVisa」やウェアラブルの「bpay」も紹介
「Visa Checkout」の提供地域も拡大

「Mobile World Congress2016」では、スマートフォンのカメラでQRコードを読み取ることによる決済を行う「mVisa」のデモを実施。すでにmVisaは、インドなどで商用化されている。また、英国・バークレイカード(Barclaycard)が発行している「bpay」では、リストバンド、キーホルダー、ステッカーなどを活用した非接触決済が可能だ。

mVisaはAXIS BankやICICI Bankで採用
mVisaはAXIS BankやICICI Bankで採用
バークレイカードの「bpay」
バークレイカードの「bpay」

また、Visaでは、オンライン決済サービス「Visa Checkout」を提供。Visa Checkoutは、世界16カ国で提供されており、2016年年末までにヨーロッパ5カ国およびインドでもローンチされる予定だ。すでに1,100万人を超える消費者が登録しており、Best Buy(ベストバイ)、Gap(ギャップ)、Neiman Marcus(ニーマン・マーカス)、Pizza Hut(ピザハット)、Staples(ステープルズ)、Rakuten (楽天USA)といった加盟店および約600の提携金融機関によって、運用されている。

「Mobile World Congress2016」では、ガソリンの給油用と駐車用の概念実証版(Proof-of-Concept)アプリをホンダのHonda Developer Studioと共同で開発し、「Visa Checkout」支払いのデモを実施。また、「Visa Checkout」では顔認証によるテストも行われている。なお、現在は、イシュアや加盟店のチェックアウトをサポートしており、NFCとの連携については考えていないそうだ。

新たな取り組みとしてVisaでは、2016年2月4日、「Visaデベロッパー(Visa Developer)」の立ち上げ、同社決済の中核である「Visa Net」への接続を60年間の歴史の中ではじめて開放し、API(Application Programming Interface)やSDK(Software Development Kit)の提供を開始した。今後は、モバイルに関しても新たなサービスの開発を支援していく。ただ、「Visa Net」を開放するとはいっても、既存のサービス利用者には従来通り安全で、強固なセキュリティのサービスを提供していくスタンスは変わらないとしている。

※取材は2016年2月22日~25日までスペイン・バルセロナで開催された「モバイル・ワールド・コングレス2016」にて

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