2016年5月19日8:00
柔軟性がありコストを抑えたサービスをクレジット決済と合わせて提供へ
クレジットカードや電子マネー等のマルチ決済サービスに対応したセンターを運営するジィ・シィ企画は、近年発行が増加するサーバ管理型プリペイドカードやポイントサービスの運用を支援している。プリペイドサービスの提供では後発となるが、従来のサービスの課題を解決可能なソリューションとして、展開する方針だ。
後発ならではの強みを生かしシステムを開発
パフォーマンスを高め、コストの低減に成功
ジィ・シィ企画は、約20年間、クレジットのソリューションやASPを中心にサービスを提供してきたが、近年では販促に有効活用できるプリペイドやポイントへの引き合いが寄せられるようになった。
「弊社では、クレジットカードの新たなソリューションを率先して提供してきましたが、プリペイドでは“後出し”になります。プリペイドは販促サービスとしての提供が主のため、コストを低減できれば、その分お客様に還元することが可能です。システム開発にあたって処理能力の向上を目指し、エンジンを見直しました」(ジィ・シィ企画 代表取締役会長 金子哲司氏)
例えば、プリペイドサービスとポイントサービスを連携させる際、後付けでさまざまな機能を付加するケースもあり、その場合、システム全体に負荷がかかったり、作り変える必要性も出てくる。また、サービスを提供する企業ごとに搭載する機能が異なるケースも多い。その解決策として、同社のセールスエンジニアが「業務に依存する部分と依存しない部分を明確に分けたプラットフォームを作りました」と金子氏は説明する。また、自社開発のため、サービスの提供コストを抑えることに成功。さらに、処理能力についてもサーバ管理型として、ストアードバリューと比べても見劣りしない、スピーディーな運用が可能となった。
個社対応に柔軟に対応できるシステムを開発
ゲートウェイ機能としてのサービス提供も可能に
結果的に、開発は2014年に終わり、2015年3月から本格的にサービスを開始した。「現在、市場にあるASPサービスの機能を備えており、仮に加盟店ごとに異なるサービスを展開したとしても矛盾が起きず、非常に採用されやすい仕組みとなりました」と金子氏は成果を口にする。
プリペイドカードのバリューの管理はもちろん、ゲートウェイ機能としてのサービス提供も実施。同社では、以前からクレジットのゲートウェイサービスを提供しており、クレジットカードに加え、プリペイドカードのASPサービスを提供する企業とも接続実績がある。
「POSのアプリ、SDK、決済センターのコンポーネントは提供していますので、一からスクラッチで作る場合に比べ、開発期間は縮まります」(ジィ・シィ企画 取締役 高木洋介氏)
すでに、同社のサービスは大手ボランタリーチェーンの非接触型プリペイドカードシステムとして採用された実績がある。また、大手携帯キャリアの共通ポイントゲートウェイシステムをASPで提供している。特にプリペイドカードの展開は、ここ1~2年の業績を押し上げているそうだ。
20年以上にわたりクレジット決済サービスを提供
プリペイドやポイントを戦略的に提供へ
ジィ・シィ企画 代表取締役社長 矢ヶ部啓一氏は、「弊社の事業のベースはITの開発にあります。今回のプリペイドやポイントについてもパッケージの著作権は弊社が保有しているため、お客様のニーズに合わせた提供をしていきます」と口にする。同社では「CARD CREW PLUS」など、カード決済システムを利用するユーザーを多数抱えているが、プリペイドやポイントは付加オプションの位置づけとなる。高木氏は、「クレジットシステムを利用されるお客様に対して、ハウスプリペイドやポイントを戦略的に提供していく方針です」と意気込みを見せる。
ジィ・シィ企画ではこれまで、20年以上にわたり決済にかかわるさまざまなサービスを提供してきた。今回のプリペイドサービスの提供に加え、2015年以降はEMV ICカード対応についての引合いも寄せられているという。同社では今後も決済にかかわるトータルサービスの提供を目指し、加盟店やプロセッサーの売上向上を支援していきたいとしている。