2016年7月4日8:40
マイナス金利になって家庭用金庫が売れているという。
銀行に預けておくと金利を取られるかもしれない。
そんな不安感からタンス預金ならぬ、金庫預金が人気になっている。
現金でもっていても金利がつかない。
であれば投資に回そう。
というのが世界の常識。
日本ではなぜ資金が投資に回らないのだろうか。
投資はリスクがあるという恐怖感なのか。
それとも強引に売り買いを勧める証券マンに対するアレルギーなのか。
500円玉1枚から投資できるサービスがあったらどうだろう。
カードを使えば少額が自動的に投資に回るサービスはどうだろう。
しかも手数料が安く、人工知能ロボットによる全自動取引であったとしたら。
投資の敷居を低くすることによって、投資の妙味やワクワク感を体験してもらおう。
そんな少額投資サービスがいま、世界で注目されている。
■ロボアドバイザー市場規模は2.2兆ドルに
ATカーニーの調査によると、ロボアドバイザーを活用した自動投資市場の規模は、2012年にはゼロだったが、2016年には3,000億ドルを超え、2020年までに2.2兆ドルになると予測している。この調査は4,000人の米国人を対象に実施したもの。米国だけの数字だ。
内訳をみると、2016年の自動投資3,000億ドルのうち大半が既存の投資資産からのシフト。現金や預金という非投資資産からのシフトはほとんどゼロに近い。
それが2020年の2.2兆ドルになると、既存資産からのシフトは1.1兆ドル、非投資資産からのシフトも1.1兆ドルで、半々になる。ロボアドバイザーによって、新たな資産が投資に向かう。
この調査でのロボアドバイザーの定義は、ウェブやモバイルを通じ、個人のリスク許容度に応じたパーソナルな投資を、低コストで自動的に提供しているサービスである。
人を介さないパーソナルな低コスト投資サービスという点が、ロボアドバイザーの特徴。一般的な投資信託への投資とは異なるところである。投資の専門家を介さないため、投資の初心者にとっては敷居が低く、気軽に安く投資できる。
ロボアドバイザーによって、ミレニアルズ層に投資が拡大している。従来の投資ターゲットは、比較的年齢の高い資産家であった。しかし、低コストで少額から気軽に投資できるロボアドバイザーの出現によって、若年層にまで投資家が広がっているのである。