2016年7月21日17:38
大日本印刷(DNP)は、オランダのGemalto N.V.(以下:ジェムアルト)と協業し、スマートフォンの生体認証機能を活用したオンライン認証サービスを開発し、2016年12月よりクラウドサービスとして提供すると発表した。
DNPでは、クレジットカードやキャッシュカードなどの高セキュリティなICカードの開発を通じて培ったノウハウを活かし、オンラインショッピングのクレジットカード決済向けに、2008年より「3-Dセキュア」に準拠した本人認証サービスを提供している。また、2015年10月には、オンライン認証の新たな標準化に取り組むFIDO Allianceに加入し、FIDO仕様に準拠した本人認証サービスの開発に着手した。今回、これらの取組みを一歩進め、デジタルセキュリティベンダーであるジェムアルトと協業し、海外のインターネットバンキングなどで実績がある同社のモバイル認証ソリューション「Ezio Mobile Suite」と、DNPの技術・ノウハウを組み合わせ、スマートフォンの生体認証機能を活用した本人認証サービスを開発した。
同サービスは、スマートフォンやウェアラブル端末に搭載された生体認証機能を活用した認証サービスとなる。生活者は複数のパスワードを管理する必要がない。また、サービス開始当初は、指紋と顔画像による本人認証に対応。今後、新しい生体認証方式への対応も図る。
さらに、利用する企業は、クラウドサービスとして、DNPが提供する本人認証の基本機能を組み合わせて利用できるため、新たにシステム開発などを行う負荷が軽減される。
そのほか、生活者のスマートフォンが有する生体認証技術の活用により、企業は専用の読取り機やトークンなどの設備費が不要だ。
また、セキュリティのレベルに応じて、この生体認証を従来のパスワードやICカードなど、他の認証方式と組み合わせるなど、安全性と利便性に配慮した認証サービスの設計の提案も可能だ。
なお、クラウドサービスの運用は、高いセキュリティ性を備え、耐震性と環境負荷低減に対応した「DNP柏データセンター」で行う。
DNPは、銀行やクレジットカード会社、決済代行会社、流通企業や通販事業者、会員サイト運営企業などを中心に本サービスを提供し、2019年度までの4年間で約20億円の売上を見込んでいる。