2016年11月22日9:00
11月8日インドのモディ首相が2種類の高額紙幣の使用を禁止すると発表してから1週間。その光と影をQuartz Indiaがレポートした。
500ルピーと1000ルピーが使えなくなるということで、インド国民は一斉に銀行や郵便局の窓口に走った。当然窓口は長蛇の列。銀行預金は1週間で220億ドル(2兆円強)も増えた。
アナリストによると、インド政府はこの金融政策によって450億ドル(5兆円弱)の利益が出ると予測している。そうなれば、モディ首相の思惑通り、教育や健康、住宅取得に還元できる。
モバイル決済のフィンテックにもお金が集まっている。ライドシェアリングのOlaはリチャージ高が15倍になったと報告。モバイルウォレットのPaytmも同様に利用が増えている。逆にE-コマースの現金着払いはマイナスとなった。
影の部分では、秘匿性が高い金の購入が増え、金価格が急騰。高額切符を購入し、払い戻しで新通貨に両替しようという人が増えたが、鉄道会社は払い戻しをストップした。
自殺や殺人も起きている。妻をATMに行かせたが、あまりの待ち時間に現金を引き出さずに帰宅。それを怒った夫が妻を殺害した。しかしこれは廃止とは直接的な関係はない。
汚職、ブラックマネー、テロ絶滅を目的とする今回の措置はプラス面が大きいようだ。