2017年1月5日9:00
今年日本を景気づけたのは、ブラジルで開催されたオリンピックであろう。日本人の活躍で大いに盛り上がり、4年後の東京オリンピックへの期待は一層膨らんだ。
その開催国ブラジルのクレジットカード利用者は劣悪な環境にさらされている。平均リボルビング金利は450%を超える。いったん残高をもってしまったら、アリ地獄のように抜け出せない。
10万円借りると、1年後の金利は45万円。月に直せば3.5万円ほどの金利を払うことになるのだ。3カ月後には金利が元本を上回ってしまう。
ブラジル経済は厳しい状況にある。景気低迷がつづき、賃金が上がらないなか、この金利では一般国民の多くが返済不能に陥ってしまう。
ブラジル政府はようやく重い腰を上げた。上限金利にキャップをかけることを検討している。段階的に下げるのかと思いきや、一気に12%まで引き下げる計画だ。
クレジットカードで消費を促進したい政府。しかしカードを発行する銀行は、12%ではとても貸倒リスクをカバーできないとして猛反発することは必至だ。ブラジル政府はむずかしい局面を迎えている。