2017年3月3日14:37
大日本印刷(DNP)は、国内の電子マネーなどで普及しているFeliCa決済サービスと、VisaやMasterCard、JCBなどの国際ブランドが推奨する非接触決済ができるICカードを国内で初めて開発し、今春に販売を開始すると発表した。
同カードは、 国際ブランドの接触IC決済サービスと非接触IC決済サービスの両方に対応したデュアルインターフェースカードに、FeliCaの非接触IC決済サービスの機能を付与したもの。
近年、欧米を中心に海外で非接触IC決済が急速に広がってきているが、その中心は、国際ブランドであるVisaやMasterCard、JCBなどが進めるISO/IEC14443 TypeA方式が主流になっている。一方、日本国内では早くから非接触ICカード決済が普及しており、その多くはFeliCa方式の非接触ICカードによる決済が利用されている。
日本からの海外渡航者が、買い物で非接触IC決済をする場合、国際ブランドでの決済が求められるため、国内のFeliCaに加えて国際ブランドにも対応したICカードへのニーズが高まっている。また訪日外国人数は、2016年に2,400万人を超えて過去最高となり、今後さらに増加が見込まれるなか、1枚のカードで、両方の非接触IC決済に対応できる決済環境の整備が求められています。DNPは、これらのニーズに対応するため、同ICカードを開発した。
今回開発したカードはソニーが開発したICチップを搭載し、1つの通信用アンテナでFeliCa方式の非接触決済サービスと国際ブランドの非接触決済サービスを実現する。日本からの海外渡航者も訪日外国人もこのカードを1枚持っていれば、国内外の加盟店でFeliCaと国際ブランド両方の非接触IC決済が可能となる。
DNPは、業界に先駆けてFeliCa方式および国際ブランドの非接触IC決済サービスに対応したICカードを販売する。今回、新たに開発したカードをラインナップに加え、国内外の金融機関に販売し、今後3年間で20億円の売上を目指す。
また、クレジットカードや電子マネーなどの複数の決済手段や共通ポイントなどを一元管理できる「DNPマルチペイメントサービス」を展開しており、強固なセキュリティ環境下で多様な決済手段にワンストップで対応できるという。これらの決済サービスを組み合わせて、カード事業会社などにトータルソリューションを提供する。