2017年4月4日8:49
渡橋料金からお土産、飲食など、幅広い決済の支払いをカバー
「箱根西麓・三島大吊橋(愛称:三島スカイウォーク)」は、2015年12月14日の開業時から、クレジットカード(外貨建てカード決済サービス含む)と銀聯カード、電子マネーといったマルチ決済に対応している。
国内外からの利用客のキャッシュレス決済に対応
クラウド型決済サービスを導入
三島スカイウォークは国内最長(全長400メートル)の歩行者専用つり橋で、フジコーが運営している。橋の上からは、晴れた日は富士山をはじめ駿河湾、伊豆の山々などが一望できる絶景スポットとなっている。同社は隣接する商業施設も運営しており、国内外からの利用客のキャッシュレス決済に対応するため、渡橋料金や各施設での飲食代、お土産などの購入代金の支払いに、クレジットカードや銀聯、電子マネーの導入を決めたという。
オープンから1年間の来場は約160万人。社内では10年間で1,000万人の来場を目指している。訪れる人は地元をはじめ、首都圏や中京圏が多い。三島スカイウォークは、地元の人はもちろん、伊豆と箱根の中間にあるため、日本の旅行者や外国人観光客に如何に足を運んでもらうかに力を入れているという。2年目以降はオープン当初よりも来場者が落ち着く可能性があるため、リピーターの獲得が課題となっているという。
提供する決済サービスは、クレジットカードと銀聯カード、電子マネー(「TOICA」などの交通系電子マネー、楽天Edy、WAON)で、訪日外国人向けの外貨建てカード決済サービス(DCC:ダイナミック・カレンシー・コンバージョン)も取り扱う。渡橋料金のほか、カフェや軽食、お土産などの物販店での支払いに利用が可能だ。
「首都圏等にお住まいの方、アクティブシニアの方にもご興味をお持ちいただくため、施設には現代風なデザインを取り入れながら、新しい雰囲気を出しています。また、開放感のあるトイレの構造も特徴となっています。当然、決済についても、首都圏等で使われている幅広い手段を取り入れて、来場者に便利に使っていただけるように意識しました」(フジコー 開発事業部 課長 宮下あかね氏)
導入に向けては、静銀ディーシーカードと三菱UFJニコスの支援を得て、クラウド型決済サービスを導入した。採用については、マルチ決済への対応、決済処理の速度、端末にカード情報を保持しないといった性能面を見て判断したそうだ。
渡橋料金はクレジットカードが多い
電子マネーはWAONの決済比率が半数以上
電子決済の状況を見ると、渡橋料金の購入ゲートではクレジットカードの利用が多い。入場は1人1,000円だが、複数枚を家族などでまとめて購入する人もいる。また電子マネーについては、WAONでの決済が半数以上を占め、次いで交通系電子マネーを利用する人が多く、中でもSuicaの利用が目立つ。また、低単価の取引では楽天Edyの利用者もいるという。
訪日外国人決済に関しては、DCCの取引が多く、銀聯の約2倍の件数がある。訪日外国人が店頭で「自国通貨建て」での支払いを選べば、為替変動を心配することなく、支払い金額を確定できるDCCについては、米国、タイ、ドイツの順で通貨の選択が多い。
POSレジは寺岡精工製だが、セミセルフレジを2台導入。セルフレジは店舗混雑時でも会計処理を早く済ませることが可能で、利便性を重視して導入した。近年はスーパーマーケットなどでもセルフレジの採用が増えており、利用者も違和感なく、操作しているという実感がある。今後も顧客の利便性を高めるための取り組みは強化していく方針だ。
三島スカイウォークでは今後、リピーターの獲得を含め、施設のさらなる魅力付けを計画している。現在、吊り橋を渡った先のゾーンの開発を進めており、そこにも店舗を設けることも検討している。
さらに、三島市でも近年、訪日外国人向けの観光施策に力を入れており、行政で海外に向けて商談に行く話なども出ているため、その際は積極的に参加して施設をPRしていきたいとしている。宮下氏は、「今後も時代のニーズに応じて必要と思われる決済手段を随時、追加していきたい」と笑顔で語った。