2017年5月25日8:00
ベスカ(Vesca)は、オムニチャネル時代の要請に応えて、リアル店舗、EC、アプリなどをシームレスに連携するプラットフォーム「Vesca Seeds(ベスカ・シーズ)」を提供している。これによって、顧客は、1つのIDで複数のサイト、複数のチャネルにアクセスし、サービスを享受することができ、マーチャントは、どのチャネルからでも同一顧客の行動をリアルタイムで把握できる。様々なベンダーとも連携しながら最適なアプローチ、提案を行うことが可能だ。ベスカでは本格的な営業を開始するが、ネットとリアルを横断した次世代のマーケティングとして注目を集めている。(フォーカス特別企画:提供 ベスカ株式会社)
アカウントを一元管理するプラットフォームを提供
オフライン、オンラインをつなぐインターフェースを構築
オムニチャネル化が進み、1人の顧客がその時々の都合に合わせて、リアル店舗やECやアプリを自在に使い分ける現代においては、1つひとつのアカウント情報を一元管理できてはじめて、個々の顧客に最適なサービスの提供が可能になる。そういった環境の整備をサポートするのが、アカウントサービスだ。
たとえば、ポイントプログラム。顧客側からすれば、リアル店舗で買おうが、ECで買おうが、同様にポイントを貯められたり使えたりして当然だろうと考える。ところがマーチャント側の事情では、リアル店舗とECとではベンダーも異なるまったく別のシステムが稼働しているということも珍しくなく、これを統合するのは容易ではない。統合のための要件定義だけでも莫大なコストがかかるため、特に中堅企業においては、着手に至る前に頓挫してしまうケースが少なくないという。
こういったプログラムの統合に、なぜそれほどの高額な見積りが出るかと言えば、「ECベンダーにはPOSについての知識がないし、POSベンダーにはECやアプリについての知識がない。つまり、ワンストップで解決できないという事情によるのです」と、ベスカ 取締役 エンジニアリング部 部長 西砂月氏は説明する。それに対し、「マルチ決済ソリューションの提供を通じて、オフライン、オンラインにかかわらず、マーチャントの顧客接点を研究してきたわれわれは、大幅なコストカットを実現しながら、両者を仲立ちするインターフェースを構築・提供することが可能です」と西氏は胸を張る。
決済、CRM、データマネジメントなどの多彩なサービス展開を可能
口座管理、ID管理におけるセキュリティ管理で優位に
「Vesca Seeds」は、IDアカウントサービス・インターフェースを中核として、決済、CRM、データマネジメントなどの多彩なサービス展開を可能にするプラットフォームである。スムーズな運用のためにまず求められるのが、コアとなるID管理基盤の信頼性だ。
「Vesca Seeds」の強みはまさにそこにある。「われわれはプリペイドなどの決済基盤から事業をスタートさせたという経緯から、セキュリティ管理のノウハウには自信をもっています」と、コミュニケーション部 部長 福田智宏氏が語るように、口座管理、ID管理におけるセキュリティ管理にこそ同社の優位性があると言える。
また、「ポイントプログラムのシステムを確立していることも、われわれの強みの1つです」と福田氏は続ける。「ポイントプログラムは実は複雑で、短絡的な発想で成功できるものではありません。どれぐらいの売上に対してどれぐらいのポイントを発行したか、当月の失効はどれだけあったか、最終的な会計処理はどうなるかといったことを、きちんと管理する必要があるのです。ベスカではそういった口座管理も責任をもって請け負い、そこで得られたデータの中からマーケティングに役立つものを、逐次フィードバックしています」(福田氏)。ポイントプログラムの運用には、決済とはまた異なる難しさが潜んでいるといい、それも熟知した同社では、運用上、課題に上りそうな内容をあらかじめ織り込んだパッケージを構築し、提供しているのだ。
このようにコアとなる部分をしっかり固めた上で、マーケティング施策の展開などに関しては、あくまでクライアントの要望を優先。情報の収集・提供をはじめ、サポートに徹するスタンスで臨んでいる。福田氏は、「CRMシステム、アプリ、ECなどの専門ベンダーさんとの連携に柔軟に対応できることも、Vesca Seedsの特徴です」と話す。
多様なパートナーとともにマーケティングデータを収集・活用
さまざまな業種からの引き合いが寄せられる
「Vesca Seeds」は現在、アパレル業界で多く導入されている。アパレル業界ではオムニチャネル化が進んでいることに加え、複数ブランドを展開している企業が多く、ブランドごと、サイトごとにまったく別のベンダーと組んでいるという場合も少なくない。たとえば、岡山県倉敷市に本社があるジーンズの製造・販売業、ジョンブルでは、リアル店舗とECを連携し、会員情報やポイントを一元化。その結果、以前はカタログのように利用されることの多かったECサイトで、商品を購入する顧客が増え、ECの売上が140%に伸びたという。
ユーザーからは、「Vesca Seeds」の他サービスとの連携の自由度の高さや、Verifone端末をベースとしたペイメントプラットフォーム「Verifone Ark」という決済のプラットフォームを併せて利用できる点を評価する声も寄せられており、アパレルに限らず多様な業種からの引き合いが増えている。同社ではさまざまな企業とパートナーシップを組んで運用を進め、データと知見を蓄えていく意向だ。今後の展開について、西氏は、「次のステージでは、パートナーとともに収集・蓄積したデータをマーケティング施策に活かすPDCAサイクルを構築していきたいと考えています」と語った。
オムニチャネル化の進展は加速化している。企業の規模如何にかかわらず、これへの対応が急務だ。ニーズの多さを物語るように、これまで表立って告知してこなかったにもかかわらず、すでに現在、日本国内の「Vesca Seeds」のユーザーは約200社、4,000端末、500万ID以上に上っており、今後はさらなる引き合いが寄せられる見込みだ。
■お問い合わせ先
ベスカ株式会社
〒106-0047 東京都港区南麻布5-2-32 興和広尾ビル6階
TEL : 03-5422-9211
URL:http://www.vesca.co.jp/index.html
お問い合わせ:https://www.vesca.co.jp/contact.html