2017年6月29日8:00
100業種、9,500店舗以上の個店や中小規模のチェーン店にPOSシステムの導入実績を持つビジコムは、決済手段の強化として、Verifone端末をベースとした決済ソリューションを提供しているベスカ(Vesca)とアライアンスを組み、クレジットカード、電子マネーをはじめとする多様な決済手段に対応するPOSソリューションの提供を開始する。同社は、2017年を「決済元年」と位置付けている。決済機能をフックに、POS導入店舗の売上拡大支援を、より一層強化していきたい考えだ。(フォーカス特別企画:提供 ベスカ株式会社)
中小の小売業に最上級のPOSシステムをパッケージとして提供
べスカがクレジットカード、電子マネーなどの決済機能を付加
ビジコムは、アパレル、雑貨、薬局などの専門店を中心とした小売業に、POSシステムをパッケージで提供しているPOSメーカーだ。同社がターゲットとしているのは、1店舗から、最大でも150店舗をチェーン展開する中小規模の小売業。これまで北海道から沖縄まで100業種、9,500店舗以上に、1万6,000セットの導入実績を持つ。
ビジコム 代表取締役CEO 中馬浩氏は、「POSシステムを自社開発する資金をお持ちでない小売業に対し、低コストで最上級のソリューションを提供することが、私たちのミッションです」と明言する。中小規模の小売業が、コストや手間を最小限に抑えながら大企業と同等のシステムを実現するには、パッケージが最適の形態だ。ビジコムはすべての業種に同じパッケージで対応し、カスタマイズしないことを基本方針としている。
「ビジコムPOSソリューション」では、クラウド型本部管理システム「TenpoVisor(テンポバイザー)」と各店舗のPOSをつなぎ、売上・在庫情報などをインターネットで共有。この情報を小売業の本部や各店舗がリアルタイムで把握することにより、緻密な商品管理、販売管理、顧客管理、ポイント管理を可能にしている。さらに、ベスカとのアライアンスによって、クレジットカード、電子マネーなど多様な決済が可能なVerifone端末というパッケージが新たに付加されることになった。
2017年は「決済元年」、多彩な決済で小売業の売上拡大を支援
POS情報の管理はビジコムが行い、決済はベスカが担う
ビジコムが、以前は自らが関与する分野ではないとしていた決済の機能を、パッケージに組み込むことを決めたのには、近年の消費者動向の変化がある。象徴的なのが、インバウンド消費の拡大だ。
ビジコムは2014年から、免税店での迅速な免税書類の作成をサポートするシステム「あっと免税」を提供しており、同様のシステムのシェアではトップグループに位置している。この事業を通じて、インバウンド消費のインパクトを身をもって感じ、店舗の売上を伸ばすためには多様な決済手段、とりわけ銀聯、WeChat Payなどへの対応が必須だと考えるに至ったのだ。
しかし、規模の小さい小売業が、クレジットカードのみならず多様な決済手段に対応するために、1つ1つ手続きをとることは、難しい。さらに、リアル加盟店は、ICカード(EMV)への対応、「PCI DSS」への準拠、もしくはカード情報の非保持化が求められる。そこでビジコムでは、これらの課題を一括して解決するサービスを、POSソリューションのパッケージに組み込んで提供することにしたのである。
「2017年は、決済元年。EMV対応にとどまらず、FeliCaのような非接触ICカード決済、WeChat Payをはじめとするスマホ決済、将来的にはビットコインまで含めて、あらゆる決済手段への対応をパッケージとして取り込んで、小売業の売上拡大を支援していきたいと考えています」(中馬氏)
アライアンス先としてベスカを選んだ理由の1つは、ベスカがVerifoneの日本市場での販売パートナーであることだ。Verifoneの決済端末は、150カ国に2,900万台以上が出荷されており、世界市場でトップクラスのシェアを誇る。性能面に信頼がおけることはもちろん、コスト面でもビジコムの顧客である中小規模の小売業の負担を抑えることができるのも希望にかなっていた。
もう1つの理由は、ベスカは、長年の知見・ノウハウに基づき万全なセキュリティ管理体制をとっていて、改正割賦販売法が求めるクレジットカードのセキュリティ基準も問題なくクリアできるということだ。POS情報の管理はビジコムが行い、決済はベスカが担う。この役割分担によって、店舗は、カード情報の非保持化を実現しながら、エンドユーザーへのサービス向上を図ることができる。ベスカのソリューションはPOS連携を前提としており、ビジコムにおけるPOSと決済端末の連携開発にかかる期間も1カ月以内とスピーディーに対応できたことも大きい。
べスカはビジコムとともに決済の変革にチャレンジ
中小企業が抱えるさまざまなニーズに対応へ
ベスカ 代表取締役社長 吉田誠氏は、「決済元年というのは、単にハードウェアが切り替わったり、手段が増えたりすることを意味するのではなく、例えばスマホが、生活や社会まで変えてしまったように、決済の概念までもが大きく変わる時と捉えています。30年前に会社を興されたビジコムの中馬社長は、業界に精通していることに加え、常に先を見越した意思決定をなさる、先進的な経営者です。われわれはそのような中馬社長が率いるビジコム様とアライアンスを組んで、決済革命をリードしていきたいと考えています」と語り、今回のパートナーシップに期待を寄せる。
さらなるアイデアも広がる。ベスカが担う決済の情報とPOS情報とをつなげれば、現金決済を含めた全購買情報の分析が可能になる。こういった情報をビジコムの「TenpoVisor」を通じて顧客である小売業に提供すれば、店舗売上の向上に、より大きく貢献することができるだろう。
また、ビジコムは、エンドユーザーがあらゆる店舗情報をまとめて管理できるスマホアプリ「みせめぐ」の配信を行っており、これを活用した集客プロモーションを店舗に提供している。ここに、精度の高まった分析データを活用すれば、プロモーションの効果も向上すると期待される。
ビジコムは本サービスの営業を2017年7月より開始。クレジットカード、銀聯カードの対応からはじめ、順次ハウスプリペイドカードや電子マネーに対応を広げていく予定である。中小企業にとって敷居の高かった各種決済のハードルを引き下げ、2020年のキャッシュレス化を後押しする意味でも今後の取り組みは注目に値するだろう。
■お問い合わせ先
ベスカ株式会社
〒106-0047 東京都港区南麻布5-2-32 興和広尾ビル6階
TEL:03-5422-9211
URL:http://www.vesca.co.jp/index.html
お問い合わせ:https://www.vesca.co.jp/contact.html