台湾・玉山銀行が東京支店を開設、デジタル決済分野で台湾を代表する存在に

2017年10月23日8:00

台湾の玉山銀行(ユイシャンぎんこう/ぎょくざんぎんこう)は、2017年10月5日に東京支店を開設。10月20日には事業戦略説明会を記者向けに開催した。玉山銀行では、金融革新やデジタル金融の分野にも積極的に取り組んでおり、台湾でAlipay(アリペイ)のQR決済のアクワイアリング(加盟店開拓)を初めて開始。また、Visaと提携し、 HCE(ホストカード・エミュレーション)によるモバイルウォレットサービスを提供している。

アジア9カ国25拠点でサービスを展開
台湾では企業金融、リテール、ウェルスマネジメント、クレジットカードが中心

東京・丸ビルにオープンした玉山銀行東京支店では、預金(日本円、米ドル)、送金、商業融資、商業不動産融資、シンジケート・ローン、貿易金融、金融市場取引などのサービスを取り扱う。

記者会見で挨拶した、玉山銀行 総経理 黄男州氏は、「玉山は台湾の銀行で、最も発展している銀行です」と説明する。“イーサン”は台湾で最も高い山であり、1992年に台湾で最も高く美しい山のようになりたいという想いのもと設立された。

右から玉山銀行 総経理 黄男州氏、玉山銀行 東京支店長 林國維氏

記者会見では、玉山銀行 東京支店長 林國維氏が流ちょうな日本語で、同行の強みについて紹介した。玉山銀行は、台湾138カ所の拠点の他にもアジア9カ国25拠点でサービスを展開。今回、東京支店を設けたことは意義が大きいとしている。

東京は、経済的に発展しており、金融市場としても大きい。また、台湾と日本は距離も近く、親交も深い国だ。さらに、貿易上でも密接な関係がある。そして、2020年に東京五輪が開催されることも挙げた。

玉山銀行は、公的機関や同族系と無縁の経営となっており、台湾金融・投資業で最も高い外国人および従業員の持ち株比率となる。サービスの品質に力を入れており、カスタマーサービス・マネジメントの国家品質賞を3部門において受賞している。また、国内外のメディアからも高い評価を受けている。さらに、企業の社会的責任に関しては全力を尽くして取り組んでいるそうだ。

現在、台湾では、企業金融、リテール、ウェルスマネジメント、クレジットカードを中心に金融サービスを展開。企業金融では、The Asian Banker誌の中小企業向け融資№1(民間銀行)となっている。また、台湾キャッシュ・マネジメント銀行・企業向け貿易金融取引賞を受賞。リテール分野では、個人向け無担保ローン最大手であり、台湾市場においてモバイルバンキング・決済ソリューション提供で実績がある。ウェルスマネジメントに関しては、過去5年の成長率が最大となった。

台湾の銀行セクターにおいて主導的地位

HCEを活用したデジタルウォレット「玉山Wallet」を展開
日本国内のECサイト向けに台湾ローカル決済を提供へ

台湾市場でのクレジットカード発行については、現在第3位。同行では、Visaと提携し、台湾市場でNFCのHCE(ホストカード・エミュレーション)を活用したデジタルウォレット「玉山Wallet」を初めて展開している。

黄氏は、「台湾と日本は、600万回以上の行き来があると数えられています。台湾の若者の間で旅行に行くとなると多くの方が日本を選びます。去年でいうと台湾から400万回の旅行者が日本に訪れました。台湾から日本に旅行に来る方々が便利であるように、たとえばチケットを購入したり、買い物をしたり、便利なサービスを提供するのが現在の考えです。我々の目標として、東京五輪を見据えており、そのときに台湾から多くの方が携帯だけを持って日本に訪れ、お金を払う行動が出来るようになったらいいと思います」と意気込みを語った。

また、台湾証券取引所に上場し、総資産は約650億ドル、ムーディーズの格付けでA3となる。さらに、不良債権は0.21%と堅実な財務体質であることも特徴として挙げた。

なお、同社では、NTTデータと2017年2月14日にアライアンス契約を締結し、2017年下半期より、日本国内のECサイトを運営する各企業・店舗に対し、台湾の各銀行が発行するキャッシュカードによる支払いをはじめ、台湾国内で用いられている決済手段(台湾ローカル決済)が利用できる取り組みを開始する予定だ。黄氏によると、現在、開始に向けた準備は最終段階を迎えているという。

「Apple Pay」、「Android Pay」、「Samsung Pay」での支払いも可能に
AlipayのQRコード決済のアクワイアリングを台湾で初めて提供

記者会見後、黄氏に同行の決済関連の取り組みについて話を聞いた。

――現在、玉山銀行様は、台湾でのクレジットカードの発行において第3位ということですが、同国での展開は順調に進んでいますか?
黄:とても順調に進んでいます。玉山銀行はJCBと台湾で一番最初に提携し、一番大きい発行会社でもあります。また、VisaやMastercardも同様に発行しています。現在、400万の発行数があり、台湾の約4分の1を占めています。現状、1位から3位の差はそれほどありません。

――台湾でのHCEベースの「玉山Wallet」を開始されましたが、モバイル決済の取り組みについても力を入れていますね。
黄:このカテゴリに関しては台湾で最もリードしています。「Apple Pay」(Apple)、「Android Pay」(Google)、「Samsung Pay」(Samsung)は玉山銀行が全面的に提供しており、台湾発唯一すべてを提供している銀行となっています。

将来的に銀行のサービスはスマートフォンに移っていく傾向にありますので、2020年に台湾の観光客が日本に訪れるときに携帯だけでどこでも決済できるような環境を整えたいですね。

――現在のモバイル決済の登録者についてお聞かせください。
黄:玉山銀行の顧客は500万ほどいますが、約4分の1はスマートフォンでインターネットの振り込みなどを行っています。モバイルを活用したサービスは幅広く提供しています(モバイル決済の利用者は非公表)。

――中国の「Alipay(アリペイ)」と提携したサービスにも台湾でいち早く取り組まれていますね。
黄:玉山銀行は、中国のAnt Financialと台湾で初めてタイアップした会社となっています。現在は順調に提携が進んでおり、台湾の消費者がTaobao(タオバオ)で買い物する際、玉山銀行のAlipay決済により支払いが可能です。また、携帯電話向けにQRコードによる支払いサービスを台湾で初めて提供し、台湾に旅行にやって来た中国人観光客がアリペイ(Alipay)の携帯電話向けウォレットで支払いができます。

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