2017年10月25日14:00
NXP Semiconductors N.V.(NXPセミコンダクターズ)は、パスポートやIDカードの設計に適した、超薄型非接触型チップ・モジュール「MOB10」を発表した。MOB10は厚さが200µmと人間の平均的な髪の毛の太さの約4倍で、現行製品よりも20%薄く、パスポートの個人情報ページやIDカード向けの超薄型インレイへ搭載できる。
MOB10は現在、量産対応非接触型モジュールの中で最も薄く、新しいセキュリティ/耐久性機能とともにポリカーボネート技術をサポートしているとした。さらに、既存の生産ラインとの互換性を持つ超薄型プラットフォームであることから、メーカーは設備の入れ替えを行わずにMOB10を追加でき、コストの増大や生産速度の低下を招かずに複数の製品のサポートが可能になる。
MOB10は、eDatapages、eCovers、IDカード・インレイを可能にし、電子文書の偽造を防止することが可能だ。パスポート、電子国民IDカード、電子健康保険カード、市民権カード、在留カード、運転免許証、スマートカードなどのサイズをほとんど変更せずに、セキュア・マイコンとそのアンテナの統合も可能にする。
パスポートの場合、MOB10により、ICをパスポートの表紙からパスポート内部の個人情報データ・ページに移すことができる。同機能により、ICの取り外しや改ざん後のICの再挿入を防止する。また、MOB10は微小なひびの発生を低減するとともに、機械的、環境的ストレスに対する耐久性や、リバース・エンジニアリングやその他のセキュリティ攻撃に対する耐性を提供するとした。
なお、MOB10は量産対応が可能。また、実装の自由度を確保するため、MOB10ソリューションはICAO 9303とISO/IEC 14443標準に準拠している。