2017年12月27日8:42
ブルガリアのDATECS(ダテックス)は、スマートフォンと連携した決済端末(mPOS)を提供しており、日本でも導入実績を重ねている。同社の決済ビジネスの展開について、Executive DirectorのPenCho lliev氏に話を聞いた。
2017年は欧州や南米を中心に80万台の実績
日本では5,000台の導入実績
ダテックスでは、2017年に約80万台の決済端末を生産。特に強い地域は欧州と南米で、80万台のうち60万台はOEM提供となる。
主要なパートナーとして、スウェーデンのiZettle(アイゼトル)が挙げられる。iZettleでは従来、別の決済端末会社から製品の供給を受けていたが、現在はダテックスの製品を使用している。また、マレーシアのSoft Space(ソフトスペース)はディストリビューターパートナーとなっており、マレーシアやタイに製品を提供している。
日本では、販売パートナーの三栄電機の協力を得て、約5,000台の導入実績がある。「BluePad-50」は、FeliCa Mクラス認定を取得するなど、ローカル対応も進めている。PenCho lliev氏は、「2018年以降も複数のプロジェクトが進んでいます」と話す。
強みは自社での端末開発
2018年はAndroidベースの決済端末を量産へ
「弊社の強みは、ハード、ソフトウェア、ファームウェア、デザイン、プロダクションと、すべて自社で行っている点です。2017年はAndroidベースのターミナルを開発し、来年6月には量産する予定です」(PenCho lliev氏)
ダテックスでは今後、Androidを使うターミナルが広がっていくと考えている。Androidベースの端末は、EMV接触/非接触、磁気の取引に加え、QR決済にも一台で対応可能だ。
「PIN on Glass」「PIN on Mobile」対応を準備
2018年は150万台の生産を見込む
現在、PCI DSSやPCI PTSの規格を運営するPCI SSCでは、タブレットやスマートデバイスなど、モバイル決済に対応した専用のタッチスクリーンデバイスとなる「グラス」デバイスに対処する規格となる「PIN on Glass」もしくは「PIN on Mobile」の標準規格に取り組んでいる。同社では、PCI SSCからの仕様書が公開された際は直ちに、対応を準備していきたいとしている。
PenCho lliev氏によると、ダテックスは、ヨーロッパのmPOS市場で2番、もしくは3番目の立ち位置になりつつあるそうだ。2018年は2017年の2倍強となる、150万台の生産を見込んでいる。今後は、mPOS提供企業、大手決済端末ベンダーに加え、中国のベンダーもさらに力を伸ばしていくと予想されるが、それに負けない製品提供をしていく構えだ。
取材は2017年11月28日~11月30日までフランス・カンヌで開催された「TRUSTECH(トラステック)2017」において。