2018年4月18日8:00
2018年中に150万インストールを目指す
最速1分で作れるVisaカード「バンドルカード」を運営するカンムは、「バンドルカード」アプリから即時に最大2万円の立替チャージができる後払い新機能『「ポチっと」チャージ』をスタートした。20~30代の若者世代を中心に40万インストールの「バンドルカード」に新機能を追加することでユーザーの利便性を高め、2018年中に150万インストールを目指す。(ライター 小島清利)
アプリから誰でも1分で作れるVisaカード「バンドルカード」を発行
カンムは、「アプリから誰でも1分で作れるVisaカード」というコンセプトで、2016年から「バンドルカード」の提供を始めた。生年月日と電話番号だけで、アプリからすぐにネット決済専用のバーチャルカードが発行される仕組み。希望者は、実店舗で使えるリアルカードを持つことができ、日本を含む全世界200以上の国と地域にあるVisa加盟店で利用できる。
カンム 代表取締役社長 八巻渉氏は記者会見で「EC市場が拡大しており、カード払いも増えているにもかかわらず、クレジットカードの保有率が低下している」と指摘した。日本銀行の「生活意識に関するアンケート調査(2011年度)」によると、カードを使いたくない理由として「使いすぎが気になる」「セキュリティなど安全性に不安がある」といった理由が上位を占めている。
八巻氏は、カードの利用率の向上を妨げているには「クレジットカードは怖いと感じている人が多いからだ」として、誰もがネットショッピングで安心して使えるカードの提供を目指す考えだ。
ポチっと押せば、アプリ内に発行されるプリペイドカードに入金
今回、追加した新機能『「ポチっと」チャージ』は、今すぐ決済する必要があるのに、手持ちのお金がなく、チャージしている時間もない場合に便利なサービスだ。アプリ内で、最大2万円の金額を入力し、ポチっと押せば、アプリ内に発行されるプリペイドカードにお金が入る。ネットショップで、カード払いの買い物を済ませた後で、コンビニエンスストアやATM、ネット銀行などで支払いを済ませる仕組み。
『「ポチっと」チャージ』の手数料は、1万円までのチャージなら500円で、1万1,000円から2万円が800円。申し込み手続きは、生年月日とメールアドレス、電話番号を入力し、注意事項を確認する。カンムの八巻社長は「アプリのインストールからチャージ、商品・サービスの購入まで180秒で決済できる」と話す。
「アプリから簡単にプリペイドカードを発行し、すぐにカードが使えて、支払いは後から」というシンプルな決済体験は、バンドルカードの開発時から目標にしていたという。日常で少し足りないお金のニーズを満たすことで、消費の伸びしろが大きい世代の消費活動を活性化させることが可能と考えるからだ。
カンムは、バンドルカードでの携帯キャリアチャージ利用の中心世代である20~34歳にターゲットを設定。バンドルカードユーザー3万人を対象にヒアリング調査し、362人の有効回答を得た。
それによると、自由に使えるお金については、月3万円以下が全体の62%を占めていた。1カ月あたりの「足りないお金」については、「借りてまで使うことがない」というユーザーが全体の6割を占めていたが、4割は借りてもお金が必要というニーズはあり、全体の25%は2万円以下の少額ニーズだった。
『「ポチっと」チャージ』のニーズについては、全体の75%が「利用したい」「少額ならば利用したい」と回答しており、「借りてまで使うことはない」と回答していたユーザーの68%が利用したいと回答したという。
こうした調査を踏まえ、カンムは『「ポチっと」チャージ』の利用額を設定した。最低賃金で8時間働いた場合の3日分の賃金2万円程度で、この程度のお金をすぐに使えるようになれば、「今お金がなくても、セールで見つけたお気に入りの服が買えるようになるなど、お金の流れが健康になる」(カンム 取締役COO 竹谷直彦氏)と考えた。
Gardiaがカンムのバンドルカードに後払い決済の機能を提供
こうした便利な後払いサービスを健全に発展させるためには、セキュリティの技術が大事になる。フィンテック事業などへの保証事業、与信・各種決済事業を展開するGardiaがカンムのバンドルカードに後払い決済の機能を提供した。
Gardia 代表取締役社長 小山裕氏は「何か欲しい時、何か楽しみたいときに支払いは後回しですぐにできる世界を実現し、世の中のリスクを楽しみや喜びに変えたい」と話した。
「Gardia後払いサービス」により、決済金額(債権相当額)全額の受取りがGardiaにより保証される。これにより、未回収リスクや債権取消がないという。Gardiaは、独自の手法による与信および不正検知の実施をベースにしながら、 加盟店の未回収リスクを防ぐそうだ。
八巻氏は記者会見で、「誰もがスマホでお金を持ち歩ける『お財布2.0』」の実現を目指す考えを明らかにしたうえで、『「ポチっと」チャージ』の利用拡大がその試金石になるとの見方を示した。