2018年5月28日8:00
最新サービスを裏で支える“保証テック”についての勉強会実施
Gardia(ガルディア)とトラスト&グロースは、2018年5月11日、「最新サービスを裏で支える“保証テック”が活況!需要増の業界は?」と題したメディア向けの勉強会を開催した。当日は、後払い決済をはじめ、保証のニーズが高まっている業界について、両社が紹介した。
Gardiaはノーショー、即現金化、サブクリプション保証などを実施
Gardiaは、2017年10月に設立した企業で、各種保証業務を展開している。Gardia 代表取締役社長の小山裕氏は、過去に流通系クレジットカード会社、ECサイトのチャージバック保証事業等に携わった経験がある。同社では2017年に、 飲食店やホテル等の無断キャンセル(ノーショー)に対する保証サービスを提供開始。その後も目の前のアイテムが一瞬でキャッシュに変わるアプリ「CASH(キャッシュ)」を展開するバンク、ウリドキネット提供の家庭に眠る遊休資産のバーコードをピコる(スマホで読み取る)だけで買取が成立する「PICOL(ピコル)」、MacBookの即時買取サービス「パソダッシュ」等に対し、保証サービスを提供している。
これらのサービスは、ユーザーに対し現金を先出しする必要があるため、ユーザーの不正利用・債務不履行といったリスクが発生するが、同社が間に入ることで、事業者のリスクを抑制可能だ。ユーザーの中には現金を受け取って、2週間経過しても商品を送ってこない人が一定数いるそうだが、サービスに内在しているリスクの保証を同社とサービス提供者の間で契約している。
さらに、レンティオが展開するカメラ&家電のレンタルサービス「Rentio」に関連して発生するリスクを保証するサービスを提供している。同サービスでは、偽名、不正なカードで申し込んで、他人の住所、転送サイトに送るといった被害が考えられるが、その不正リスクの保証、不正の抑止、安定運営の支援を行っている。
「バンドルカード」にGardia後払いサービス提供
さらに、カンムが運営するVisaカード「バンドルカード」に対して、Gardia後払いサービスの提供を開始。これにより、カンムは買い物等の代金を利用時から2カ月以内に支払う後払い手段を、ユーザーに対して提供することが可能となった。また、加盟店は未回収リスク、債権の取消なく、決済金額全額の受け取りがGardiaにより保証される。同スキームでは、本人確認が従来よりも簡易になることで、高い不正リスクが予想されるが、独自手法による与信および不正検知の実施をベースにしながら、加盟店の未回収リスクを保証する。
現在、Gardiaでは20~30の案件が動いており、商談を進めているものを含めると50案件以上の話があるという。小山氏は、「金融のようなサービスから音楽、建設関係の会社など、幅広くオファーをいただいています」と成果を口にする。また、ノーショー保証のスキームは、旅行、宿泊、美容業界などにも適用できると考えている。
同社の強みとして、大手保証会社が扱っていない新興サービスを中心にサービスを手がけていることが挙げられる。小山氏自身、チャージバックの保証事業に5年間携わった経験があり、「どうしたらリスクを抑制できるか」というノウハウを持っていることが大きい。また、上場企業であるフリークアウト・ホールディングスの子会社であること、スタートアップとしてのスピード感を持ったサービスの提供も事業を展開する上での強みとなった。
ヘイ等と連携した与信スコアの提供やリスク保証サービスを進める
Gardiaでは、今後、取引されたデータを使って、独自のデータベースや与信モデルを構築していきたいとしている。これにより、従来の個人信用情報機関等とは違った「新しい時代の信用情報機関を立ち上げたい」と小山氏は意気込みを見せた。現在進行中のサービスとして、前述のカンムに加え、「Coiney」を提供するコイニーとネットショップ開設サービス「STORES.jp」を提供するストアーズ・ドット・ジェーピーの事業持株会社として設立されたヘイ(hey)の、フリークアウト・ホールディングス各社と連携し、与信スコアの提供やリスク保証サービスの準備を進めている。
トラスト&グロースは「売掛保証サービス」を提供
当日は、トラスト&グロース 代表取締役社長 秋山祐二氏が、同社の「売掛保証サービス」について紹介した。同社では、旅行業や宿泊業向けにクレジットカード包括加盟事業を展開する旅行業振興機構が提供する「TASA B2B後払いサービス」に保証サービスを提供している。また、ラクーンが提供するBtoB後払い決済サービス「Paid(ペイド)」において、与信と督促業務を実施。Paidでは、深層学習を活用した自社開発AIによる与信審査を開始している。