2018年11月16日10:15
ビザ・ワールドワイド(Visa)は、世界各地でVisaが主催するスタートアップ・イノベーション・プログラム「Visa’s Everywhere Initiative」のアジア太平洋地域の決勝イベントをVisaシンガポール・イノベーションセンターで開催した。
Silotは銀行向けのインテリジェントソリューションを提供
「Visa’s Everywhere Initiative」は、2015年に米国で開始し、北米、南米、ヨーロッパ、アジア、中東アフリカ地域の40カ国以上で展開されている。これまでに、2,100 社以上のスタートアップが参加し、スタートアップ企業には延べ20億ドル以上の資金を調達している。
アジア太平洋地域では、2018年度に日本、ベトナム、中国、タイ、オーストラリアの5 カ国でプログラムを実施した。今回、各国の最優秀賞を受賞したスタートアップ企業がイノベーティブなアイデアのプレゼンテーションを行い、アジア太平洋地域の最優秀賞を決定した。
その結果、タイのインテリジェントバンキングソリューションプロバイダーであるSilotが、2018年総合優勝者のトロフィーを獲得した。同社では、デジタルウォレット、QR決済などさまざまな支払いに対応した銀行向けのソフトウェアを提供しており、銀行はさまざまなデータを活用して、顧客サービスの高度化に役立てることが可能だ。
今回の最優秀賞により、Silotは、Visa Everywhere Initiativeのグローバル・アクセラレータ・プログラムを10週間にわたって獲得。Visaの決済インフラへのアクセス、およびAPIとの統合が可能になり、Visaのシニアリーダーからの指導を受け、スタートアップが1.0からエンタープライズレベルに移行するために設計された10週間のプログラムを受けられる。
ベトナム、日本、オーストラリア総合優勝者も独自のアイデアを披露
各地域総合優勝者のプレゼンテーションとして、ベトナムのEyeO Tech CEO Le Mai Tung氏は、消費者が店舗等サービスへの反応についてどう考えているかを把握したい企業向けに、感情および顔認識技術を提供しているが、その概要を紹介した。
日本大会を制したPikcio AG は、個人データ保護プラットフォームを提供している。当日は、Visaカードにリンクした安全な個人データ管理用ウォレットについて、Patrick Schueffel氏が説明した。
オーストラリアのオープンコマースプラットフォームスタートアップRaincheck Co-Founder & CEO Cameron Wall氏は、機械学習と人工知能を利用して小売業者の消費者体験をカスタマイズするモバイルコマースプラットフォームについて説明した。
なお、中国大会は、中国のスタートアップStrikinglyが最優秀賞を獲得している。
当日は、ビザ・ワールドワイド 東南アジア地域グループカントリーマネージャー Benny Chey氏、シンガポール通貨当局のFintech事務局長 Benny Chey氏など4名が審査員を務めた。
2019年はシンガポールで「Visa’s Everywhere Initiative」プログラム開始
決勝イベントの会場となった「Visaシンガポール・イノベーションセンター」は、アジア太平洋地域の中心に位置するオープン・コラボレーションスペースとなる。13日は世界最大規模のFinTechフェスティバルである「Singapore FinTech Festival」の開催中だったこともあり、アジア各国から数多くの聴講者が訪れた。聴講者はワインやビールを片手に各地域優勝者のピッチを楽しむとともに、参加者同士の交流を深めた。
なお、シンガポールのFinTech Festivalと合わせて、2019年には「Visa’s Everywhere Initiative」プログラムを開始する。Visa Everywhere Initiative 2019シンガポールプログラムは、2019年3月20日に決勝大会を開催するそうだ。