2019年3月12日7:30
公費負担なくサービスを開始、将来的には他事業での活用も検討へ
大阪府四條畷市は、市役所窓口における戸籍、住民票、印鑑登録、税関係の証明書交付時の手数料の支払いに、Amazon の決済サービス「Amazon Pay」を導入した実証実験を行っている。
公民連携事業の一環として実験実施
d払いの導入も進める
大阪府四條畷市の証明書交付窓口では、全国の自治体として初めて、Amazon Payを導入。市民は、クレジットカード情報を登録したAmazonショッピングアプリに表示されたQRコードを、窓口で専用のタブレット端末にかざすことで、手数料の支払い手続きを完了できる。
同取り組み開始の経緯として、証明書交付窓口の担当課では、現金のみの取り扱いだったため、新たな決済手段を追加できないかという声があった。また、現市長の東修平氏は28歳で全国最年少市長となり、先進的な取り組みを推進する動きがあったことも大きい。
四條畷市では、公民連携の一環で、公費の負担や機器導入などのコストをかけずにキャッシュレス決済を導入できる事業者を募集し、その中で応募のあったNIPPON Tabletを選定した。NIPPON Tabletでは、四條畷市との公民連携事業の一環として、実証実験で使用するタブレット端末を提供している。なお、今回の取り組みにおいて、タブレット端末や決済手数料といった公費負担は一切発生していない。
四條畷市 総合政策部 政策推進課 伊藤李恵氏は、「窓口の支払いや日計など、職員が現金を管理する手間は減ると期待しています。市民の皆様にとっても、財布から現金を取り出して、支払うことなく、スマホ一台で済みますので、利便性向上につながります」と説明する。
サービス導入後は、すでに数件の利用があったという。窓口では、ステッカーを掲出しているため、それを見て支払う人もいる。伊藤氏は、「Amazonのアプリを利用されている方も、対面で決済できる機能があることはご存じでないことも多いです。今後は、アカウント申請中の『d払い』を追加する予定で、さらに周知・浸透してくると期待しています」と話す。
※3月1日からd払いも利用できるようになった。
また、市ではTwitterなどで取り組みを紹介。自治体初の試みということもあって、リツイートやコメントでは、好意的な反応を得た。同課 安田直由氏は、「利用者から、先進的な取り組みというご評価をいただいています」と口にする。
実証実験は、4月30日までを予定しているが、実際の利用件数、利用者へのアンケート結果の満足度などを踏まえた上で、今後の展開を検討する方針だ。伊藤氏は、「3月、4月は、転入転出の時期で利用者が増えますので、その反応を見て、その後の展開を考えていきたいです」とした。
今後は、窓口での証明書交付に加え、市で行う他事業での活用も視野に入れていく。伊藤氏は最後に、「キャッシュレスだけでなく、市民の皆様の利便性向上につながる取り組みは、福祉や健康など他の分野でも進めていきたいです」と語り、笑顔を見せた。