2019年4月8日8:00
ステイタスの象徴として羨望を集めながら、実態はベールに包まれ、サービス内容などについての全容が明らかにされてこなかったアメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード。アメリカン・エキスプレスは、2018年10月、このプラチナ・カードを刷新した。重厚で洗練されたメタルカードとし、国際規格に準ずるコンタクトレスペイメント機能を搭載。同時に、コミュニケーション活動を強化する方向に舵を切り、プラチナ・カードを保有するメリットについての情報発信に力を入れ始めた。この反響は大きく、問い合わせが殺到。4月8日からはいよいよプラチナ・カードの申し込み受付が開始される。アメリカン・エキスプレス・インターナショナル,Inc. 社長 清原正治氏が、新プラチナ・カードのコンセプトと、今後の展望を語った。
小さな挑戦から大きな夢まで、“日常の輝き”を支える――
全会員の中で最も利用頻度が高いのがプラチナ会員
アメリカン・エキスプレスは、2018年秋、プラチナ・カードのサービス・特典を刷新した。プラチナ・カードは1984年に米国で誕生、日本には1992年に導入された。当時は“非日常の感激”をかなえるものだったプラチナ・カードも、今日では“日常の輝き”を支えるツールとなっている。実際、アメリカン・エキスプレスのカードホルダーのうち最もカードの利用頻度が高いのがプラチナ・カード会員で、およそ2日に1回以上の頻度でカードを利用しているという。
今回のサービス刷新はこのニーズの変化に対応したもので、2018年10月15日に個人カード、11月14日にビジネスカードに、新プラチナ・カードを導入した。
新プラチナ・カードは、重厚感があり、かつ、なめらかで洗練されたデザインのメタルカード。表面にカード番号や氏名、会員取得年の刻印がないのが特徴だ。プラチナ・カード会員の年会費は13万円+消費税。無料で付帯可能な家族カードは4枚までとなっている。
メタルカードで初めてコンタクトレスペイメント機能を搭載
「グローバル化」と「デジタル化」の2つの柱でサービス拡充
新プラチナ・カードには、国際規格に準じたコンタクトレスペイメント機能を搭載。メタルカードとしては世界初となる。
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル,Inc. 社長 清原正治氏は、コンタクトレスペイメントの推進に並々ならぬ熱意を見せる。「日本では現在、交通系プリペイドカードがコンタクトレスペイメントを牽引している感がありますが、コンタクトレスペイメントには残高を気にする必要のないクレジットカードのほうが親和性がある。実際に海外では、コンタクトレスペイメントの主流はクレジットカードです」(清原氏)。アメックスのクレジットカードはロンドン、シドニー、ニューヨークの地下鉄などで利用可能で、会員に非常に好評だという。国内でもすでにローソンや国内主要空港の売店、ヒカリエなどのショッピング施設での利用が可能になっている。また同社ではVOGUEとの提携によりリストバンド型のウェアラブル端末も制作。さまざまな施策を通じて、コンタクトレスペイメントの一層の推進を図っていく意向だ。
サービス拡充を図るプラチナ・カードの方向性は、大きく2つ。グローバル化とデジタル化だ。
例えば、空港のラウンジ利用を提供する「グローバル・ラウンジ・コレクション」。それぞれに異なるコンセプトを掲げた会員専用ラウンジ「センチュリオン・ラウンジ」を世界各国で展開するほか、海外企業との提携により「プライオリティ・パス・ラウンジ」や「デルタスカイクラブ」の無料利用を提供。これら利用可能なラウンジの情報は、アプリのプッシュ通知で案内。さらに近々、アプリからのラウンジ利用予約も可能になる予定だ。
「ファイン・ホテル・アンド・リゾート」(FHR)では、クオリティにこだわって厳選した世界1,000カ所以上の施設が、プラチナ・カード会員のためのプログラムを提供。16時までのレイトチェックアウトなどの特別なサービスを保証する。
また、国内外の人気のレストランや、シアターのチケットなどを、アプリから簡単に予約できる会員専用のシステムの開発が、現在進められている最中だ。
4月8日よりプラチナ会員の申し込み受付を開始
100人規模でコンシェルジェの増員を図る
アメリカン・エキスプレスではプラチナ・カードの刷新に合わせて、サービス内容などについての情報発信を強化した。これに伴い、問い合わせ件数が急増。予想を超える反響に、一時期は問い合わせ窓口がパンク寸前になるような事態となり、嬉しい悲鳴が上がっている。
いよいよ4月8日からプラチナ・カード会員の申し込み受付が始まる。TVCMのオンエアも開始される。これを受け、同社では会員のサポート業務に当たるコンシェルジェを、100人規模で増員する。幅広い知識と提案力が求められるコンシェルジェの育成には数カ月以上を要するとされる。
同社では応対品質を測る基準として、初回で問題が解決したかどうかというファースト・タイム・リゾリューション(First Time Resolution:FTR)の比率を重視している。この比率が下がるようであれば、会員獲得のスピードに歯止めをかけるとしている。
開かれた時代に、アメックスのプラチナ・カードがどのようなポジショニングを獲得していくのか、今後が注目される。