2019年7月25日7:00
韓国のI’mU Incは、グローバルPOSシステム企業となり、日本でも大江電機と連携して「P2Cブランド」でビジネスを拡大している。同社 代表取締役社長 チェ・ジェソプ氏に同社のPOSシステムや無人決済機のビジネスについて話を聞いた。
大手美容室チェーンのIwasakiなどで採用
I’mUでは、大江電機と2016年に国内における総販売代理店契約を締結。飲食店専用 のセルフオーダーPOSシステムを提供しており、すでに大手美容室チェーンのIwasakiやうどんチェーンなどに1,000台以上の端末を納入した実績がある。チェ氏は、「弊社は、お客様に必要な機能をカスタマイズして作ることが可能です。また、価格的な競争力を持っています」と話す。
日本では、べスカと連携して、クレジットカードおよび交通系電子マネーの機能などを開発した。また、QR/バーコード決済のアプリケーションはネットスターズと連携して開発したという。さらに、POSに付随した売上管理、会員情報管理、オーダーの管理、プレオーダー機能、予約機能などを提供可能だ。
日本は要求は厳しいが定義は明確、野球場での採用が決定
日本や韓国でのOSはWindowsがメインとなるが、米国ではAndroidが中心となる。ただ、顧客の要望によってOSはカスタマイズ可能で、「たとえば、メインはWindowsを使い、テーブルオーダーではAndroidを使うケースも増えてています」とした。
チェ氏は、「ソリューションの開発で本当に厳しいのは定義が明確ではない、要件の整理ができていないことですが、韓国はそれが頻繁に起こります。日本は要求は厳しいですが、その要件は明確であり、要求通りに具現すればいいだけです」とした。
日本でのビジネスにも手ごたえを感じている。日本では、リテールテックJAPAN(日本経済新聞主催)に6年前から出展していたが、3~4年間はまったく手ごたえがなかったという。しかし、ここ1~2年で風向きが変わり、信頼を得て、出荷につながった。すでに日本の野球場の数百のテナントの管理プログラムの開発に向けて動くなど、実績は着実に積みあがっているそうだ。
KIOSK端末やチャットボットの展開、日本への投資を強化
現在では、店舗運営に合わせて柔軟な対応が可能なセルフオーダーシステム「P2C KIOSK」の日本での提供に向けて準備を進めている。同社では、韓国よりも日本の方が無人決済に抵抗がないと考えており、すでにハンバーガーショップ、映画館などと話を進めている。
さらに、新たな取り組みとして、4月に日本のコミュニケーションアプリと共同でチャットボットによるオーダー・決済システムを開発した。チェ氏は、「AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)によるクラウドサービスを用意しており、チャットボット、KIOSK、モバイル、POSのどれで注文されても管理できるようになっています。日本のシュークリームショップ200カ所を最初のクライアントとしてローンチする予定です」とした。
チェ氏は、「大江電機の日本での信頼に加え、弊社(P2Cブランド)の技術力の相乗効果が出ています。日本でのサービス強化に向けて、合併会社をつくるのか、投資を行うのかを検討しています」と意気込む。今後は大江電機と東南アジアなどの展開も進めていければとした。