2019年8月8日8:24
韓国のSPC NETWORKS(エスピーシー・ネットワークス)は、トータルICTサービスプロバイダーとなり、画像認識での支払いサービス、VAN・POSシステム、金融分野での付加価値サービスなどを展開している。同社は、韓国最大級の小売&eコマースイベントである「K SHOP」において、画像認識による支払いサービスを紹介した。
PARIS BAGUETTEで展開、クラウド活用が強み
日本でも数年前からパン屋、コンビニエンスストアなどでの画像認識によるレジでの商品認識が行われているが、SPC NETWORKSでは昨年からスタートした。現在、韓国のPARIS BAGUETTE(パリバケット)30店舗で展開している。
SPC NETWORKSのCHO SUNGWAN氏は、「日本との違いはクラウドを利用してサービスを行っているため、一般のテナントで使っていたPOSなどがそのまま使えますし、カメラさえあれば展開できます。日本では専用のデバイス、サーバーが必要なため、最初に投資する費用が高いです」と説明する。
コストはソフトウェアの使用料のみでの展開を考えており、店舗の投資コストは安価に抑えられるそうだ。また、同社はハードを販売する会社ではないため、画像を認識するカメラは企業が用意することも可能だ。
ベーカリーは認識率95%、既存のPOSをそのまま活用可能
現状、商品の認識率はベーカリーが95%で、梱包された商品の場合はほぼ100%だという。ベーカリーの場合、1つ1つの形が若干異なるため、認識率はやや落ちる。ただ、AIにより機械学習されるため、使用するごとに認識率は高くなるとしている。PARIS BAGUETTEでは、既存のPOSをそのまま利用して運用しており、認識できない場合はスタッフが手入力している。
韓国では、無人カフェが登場しており、画像認識を活用した無人レジとしての展開も視野に入れる。画像認識で商品を認識し、利用者が自ら精算して、飲食を行う仕組みだ。また、冷蔵庫に画像認識のカメラを付けて、運用するといったことも考えられるという。
無人レジもガソリンのセルフレジ同様に一般的になる?
CHO氏は、「画像認識の技術も発展していますが、韓国では最低時給も上がっていますし、店舗に人員を求めるのが難しくなっています。例えば、ガソリンスタンドにもセルフ精算機があり、最初は懐疑的な方もいましたが、今では当たり前になっています。画像認識技術も高まり、機械学習でデータも豊富になるにつれ、無人レジも同じようなポジショニングになるのではないかと予想できます」と期待する。当面の展開として、大型店の場合はコストが大きくなるため、小型店から発展するとみている。
※取材は2019年6月19日から21日まで韓国・KINTEXで開催された「K SHOP」において。