2019年9月3日8:20
KDDIは、第5世代移動通信システム(5G) と高精細動画像、AIを組み合わせた法人向け5G対応ソリューションを2020年3月より提供すると発表した。AIカメラ、タッチディスプレイを活用したサイネージの活用で、店舗のマーケティングや販促を支援するという。
約20年培ったIoT分野でのノウハウを生かす
9月2日に行われた記者説明会では、KDDI ビジネスIoT企画部長 原田圭悟氏が登壇し、法人向け5G対応サービスについて説明した。
KDDIは、約20年に亘りIoT事業を展開しており、法人向けのM2M/IoT契約回線は順調に増加している。同社では、IoT領域で、センサーから通信、クラウド、パッケージまでワンストップで提供している。5Gにおいても、IoTで培った経験を元に、ワンストップでの提供を掲げる。
法人向けに提供する5Gサービスは、大容量・低遅延という強みを活かし、高精細動画像の伝送とAIの組み合わせることでAIの検知精度が向上する。また、導入・運用コストが大幅に低減するとしている。
AIカメラ、Intelligent Display、3Dホログラムから展開
具体的には、AIカメラ、Intelligent Display、3Dホログラムの3つのサービスから展開する。AIカメラでは、カメラと画像解析エンジンによる分析が可能だ。現状は、店舗ごとにエッジサーバーの設置が必要だが、5Gとクラウドの活用により、店舗への機器設置コストが低減する。また、画像品質の向上により、認識節度が向上。本部や店舗は、マーケティングや店舗設計への活用が可能だ。
同サービスは、小売業界、飲食業界、鉄道業界、航空業界の企業を中心に展開し、ビジネススケールの拡大、安心・安全の向上や業務効率化に最適なソリューションだとしている。たとえば、ある鉄道会社では、AIカメラによる検知で侵入検知率96.2%を実現。モニターを常時見る必要がなくなるといった効果があった。設備構成として、ローカル設置のサーバをクラウド化することで、従来年間160万円だったところ、50万円まで低減することができる。月の価格は、サーバ1台当たり4万円~、カメラ1台当たり1万6,000円~となる。
Intelligent Displayは、カメラやセンサーと連携し、男性・女性別など、来場者の属性にあわせたコンテンツ配信、マーケティングが可能だ。主に商業施設や公共施設、イベント会場における電子案内板や広告表示に最適なソリューションを提供する。これにより、売り場の配信コンテンツをマニュアルで提供する手間が省けるなどの効果がある。価格は1台当たり月額4万9,000円~となる。
3Dホログラムは、ヘッドマウントディスプレイなどを装着することなく、裸眼で3Dコンテンツを立体的に視聴することが可能だ。主に小売業界における商品展示や、美術館・博物館における展示物の360度視聴や受付業務に最適なソリューションとなる。価格は、月額7万7,000円~となる。
KDDIでは、11月からKDDI DIGITAL GATEにおいてトライアル受付を開始。今後も5G対応ソリューションを提供する予定だ。