2010年11月22日8:20
ニューペイメント日米比較2(New Payment Report2010)
米国はニューペイメントの先進国
米国のニューペイメントチャートと日本のそれを比較してみよう。一見して米国の決済サービスはすべての項目で日本より充実していることがわかる。支払方法でも、媒体でも、米国はすべての項目に余白がない。
支払方法でみると、クレジットはどの媒体項目も埋まっている。国際ブランドはVisaを筆頭に、MasterCard、アメックス、ディスカバーカードがすべての項目に登場する。
ちなみにダイナースクラブはディスカバーカードの傘下にはいった。ハウスクレジットも存在感を示す。大手小売のターゲットやノードストロムが発行する自社クレジットである。
デビットもすべての媒体で決済を揃えている。米国では1990年代に導入された国際ブランドデビットが2000年以降急伸し、2008年にはVisaとMasterCardの両ブランドだけで約110兆円の取扱高になっている。
デビットではハウスデビットも登場している。シェル石油のセイバーカード(Saver Card)は国際ブランドがつかない自社発行のデビットカード。カードを使うと自動的に銀行口座から引落とされる。
免許証をデビット決済の手段として使う例もでてきた。米国の免許証は磁気ストライプがついたカード。これを使って免許証デビットカードを開発した。
プリペイドではギフトカードという新たなコンセプトで前払市場を創造した。そのインフラを活用し国際ブランドのプリペイドも急伸している。
2009年のギフトカードを含むハウスプリペイド取扱高は18兆円弱、国際ブランドつきのプリペイド取扱高は9兆円弱の市場となっている。
媒体別にみた場合、インターネットペイメントの層が特に厚い。後払いのビルミーレイター(BillMeLater)や、前払式のPayPal、グーグルチェックアウト、アマゾンペイメント、あるいは送金サービスのアイコーボー(iKobo)やズーム(xoom)など新たな決済ソリューションが登場し、国際ブランドの領域を侵しはじめている。
チャートの充実度の差がニューペイメント決済額の差となっている。2008年、米国のクレジット、デビット、プリペイドの総決済額(ショッピングのみ)は3兆5,824億ドル(約330兆円)で、個人消費支出の45.6%だった。
日本の2008年ニューペイメント決済総額は35兆2,86億円で、民間最終消費支出の12.26%にすぎない。日米を比較すれば、いまだ現金社会から脱却できない日本の姿が明らかになる。とともに、ニューペイメント市場の拡大可能性が高いこともわかる。チャンスは大きい。
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※本記事は日本カードビジネス研究会発行の「New Payment Report 2010」の一部分をご紹介したものです。New Payment Report 2010では、上記のように、今後、急速な普及が予測されるデビットカードやプリペイドカードなどの情報を数多くご紹介しております。ただいま、「ペイメントナビ特別企画 New Payment Report2010特別キャンペーン」を開催中ですので、「New Payment Report 2010」にご興味がある方はこの機会にぜひ、購入をご検討いただければ幸いです。
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