2020年4月20日8:00
クレジットカードなどのキャッシュレス決済のテストソリューションを提供しているフランスFIME(フィム)の日本法人、FIME JAPAN(フィム・ジャパン)は、アクワイアラ(加盟店開拓企業)やカードイシュアー(発行企業)向けのサポートのさらなる充実を図り、顧客網の拡大を目指す。アクワイアラ、カードイシュアー双方が展開する金融サービスの拡大を後押しすることで、日本のキャッシュレス決済の普及を加速させる狙いだ。
ブランドテスト需要で活況、今後も顧客の強い味方に
決済系モバイルテストの分野で日本の黎明期から携わってきたFIME JAPANビジネスデベロッパーの奥野誠氏は「FIME JAPANの成長戦略として、『レガシー系の事業をキープし、新規の事業をゲットする』という考え方があります。ファイナンシャルサービスはFIMEのワールドワイドで言えば、キープすべきレガシー系ですが、日本法人では、依然拡大していかなければならないゲットの分野でもあります」と話す。
同社のファイナンシャルサービスは大きく分けて、アクワイアラ・PSP(ペイメント・サービス・プロバイダ)向けとカードイシュアー向けがある。現在は、クレジットカードのIC化への対応で、アクワイアラ・PSP向けのブランドテスト関連のビジネスは活況を呈している。「ブランドテスト対策は割賦販売法に対応するための駆け込み需要ではあるが、日本では底堅い需要は期待できます」と奥野氏は言う。
ブランドテストに関しては、EMVレベル1~レベル2は基本的なテストであり、これをパスすれば決済ターミナルとしてのある程度の体裁は整う。しかし、最後のレベル3と呼ばれるテストは、それぞれの国際ブランドによって仕様が違うので、しっかりとした準備が必要で、そう簡単ではない。
レベル3の必要性について、奥野氏は「もし、ブランドのロゴが付いている店でカードを使用したにもかかわらず、『このカードは使えません』と表示された場合、店も客もがっかりするでしょう。こうした機会損失を防ぐために、各国際ブランドは自社の期待通りの動きをターミナルがしているのかをしっかり見極める必要があるからです」と説明する。
EMVレベル1、レベル2はターミナルのメーカーやベンダーが取得し、レベル3は決済アプリケーションを搭載する事業者がアクワイアラ―に代わり試験を実施することが多い。奥野氏は「国際ブランドの認定決済ターミナルを展開するには、レベル3が最後の難関とされており、その分野でFIME JAPANは大きなシェアを占めています」と言う。
「3DV」サービスでアクワイアラ、イシュアーを支援
さらに、FIME JAPAN代表取締役の門山隆英氏は「FIME JAPANはビヨンド・テストを掲げ、テストをパスさせるために何が必要かというコンサルティングを含めた一気通貫のサービス体制を整えています」と強調。DEFINE(デファイン)、DESIGN(デザイン)、DELIVER(デリバー)、VALIDATE(ヴァリデイト)、の頭文字を取ったソリューション「FIME 3DV」を展開する。
アクワイアラ、PSP向け製品・サービスにおける「3DV」は、「デファイン」は決済エコシステムの基礎、接触・非接触仕様、各ブランド特有の技術情報などを学べるトレーニング。「デザイン」が独自テストツールの開発(テストの自動化や効率化)や、セキュリティ強化であり、「デリバー」はブランドテストやクラウドベース決済などのコンサルティングやブランドテストなどのサポート、セキュリティテスト(ペネトレーションテスト)だ。
「ヴァリデイト」は、SAVVI(ブランドテスト用ツール)、FIME Test Card(物理テストカード)、Smartspy+(リアルカードとリーダーの間の通信をモニター、解析)などのテストツールやM-TIP(Mastercard)、Diners Club Internationalなどのブランドテスト認証、アクワイアラホスト検証サービスなどである。
一方、カードイシュアー向け製品とサービスの「3DV」の。「デファイン」は、決済エコシステムの基礎、接触・非接触仕様、カードプロファイルの定義などを学べるトレーニング、「デザイン」は、独自テストツールの開発やテストの自動化・効率化、セキュリティ強化など。「デリバー」は、コンサルティングやモバイルを利用した独自ウォレットなどのクラウドベース決済、「サポート」はカードやモバイルパーソナライゼーションの事前検証。
「ヴァリデイト」はPersevalPro Issuer(CPV、PVTツール)、Smartspy+(リアルカードとリーダー間の通信をモニター、解析)などのテストツールや、CPV(マスターカード)、PVT(JCB)などのパーソナライゼーション認証サービス、クラウドベース決済アプリ認証サービス、イシュアーホスト検証サービスなどである。
十分な実績の上に、新たなる課題解決にも挑戦
奥野氏は「アクワイアラ、PSP向けのサービスも、カードイシュアー向けサービスも、ブランドテスト関連やパーソナライゼーション試験(CPVやPVTなど)については十分な実績があります。今後はそれら以外でも、さまざまな側面からアクワイアラ、イシュアーをサポートし、日々の業務で抱える課題を解決したいと考えています」と話している。
FIME JAPANはこれまで、アクワイアラやイシュアー、PSPや決済端末ベンダーとともに、クレジットカードや決済端末のEMV化をサポートする上で重要な役割を果たしてきた。今、日本のほとんどのクレジットカードにIC チップが搭載され、決済端末がそれを受け入れるようになったが、さらに加速するコンタクトレス化や今後のテクノロジーの進化により、決済の観点からも顧客にアプローチする方法や新しい課題は常に発生する。FIME JAPANが日本のキャッシュレス決済を後押しする挑戦は、継続的に続いていく。
■お問い合わせ先
FIME JAPAN株式会社
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e-mail:salesjapan@fime.com
URL:https://japan.fime.com/