2010年12月3日8:10
「注目のペイメントビジネス」~楽天銀行(2)
現状は楽天カードをメインにアプローチ
グループ内でのデビット推進も検討
楽天グループには楽天KCが発行する「楽天カード」があり、国内でも稼働率の高いカードとして有名だ。現状、同行では楽天KCとの提携カードである、ICキャッシュカードとクレジット機能が一体化された「楽天銀行カード」をメインで推進している。ただし、クレジットの限度額では物足りない人、カードを持てない人、海外での利用が多い人などに対しては、Visaデビットならではのメリットもあるため、今後も顧客のニーズを踏まえながら、提案は続けていく構えだ。また、楽天グループとして、楽天銀行デビットカードをどう勧めるのかに関しても検討していく。
「まずは、制度改定後の顧客の動向をしっかり把握することが先決だと考えています。その上で、楽天市場など、グループ内でどういうお勧め方をすれば適切なのかを見極めていきたいです」(加藤氏)
ブランドの告知や大手銀行の開始が普及のカギに
市場全体で3,000万枚規模に拡大する期待を抱く
現状、新規入会や稼働会員などは減ってはいないが、ブランドデビットの爆発的な普及となると、様子見の段階だという。
「現時点で国内のほとんどの人は、「Visa」というとクレジットカード、デビットというと「J-Debit」を想像します。ブランドデビットの認知、利用をさらに高めるためには、ブランドなどによる積極的な告知と大手銀行のサービス開始が必要になると考えています」(加藤氏)
また、国内のブランドデビット浸透にはインフラ面の課題があることも忘れてはいけない。
「インフラの問題については徐々に解消されていると聞いています。当行としては、お客様に利用できないシーンについては、ある程度は開示していく必要があると考えています。この部分は当行だけの問題ではなく、ブランドなどと協力して行っていきたい」(加藤氏)
加藤氏は以前から「ブランドデビットは3,000万人が利用するカードとして成長する」との期待を示しており、同行としても地道な告知活動を行う構えだ。