2011年5月17日8:30
ICカードを使った企業向けエコ活動促進システム「エコピヨ」を発売
ポイント付与では「エコ・アクション・ポイント」と連携
コクヨグループのコクヨファニチャーは、ICカードを使って多様なエコ活動をポイント化し、社員のエコ活動の啓蒙・習慣化を目指した企業向けAPSサービス「エコピヨ」を2010年11月より販売している。同システムの利用で付与されるポイントには、環境省が推進し、ジェーシービー(JCB)がプラットフォーム運営を行う「エコ・アクション・ポイント」を採用している。
取材対応者:コクヨファニチャー TCM本部 環境事業TCM マネージャー 坂部みどり氏
ICカードを使って
気軽に楽しくエコ活動
「エコピヨ」はコクヨファニチャーの実験オフィス「エコライブ品川」で2008年11月より運用を開始。大切だとわかっていてもときには面倒であったり、我慢を強いられるエコ活動を楽しくやり続ける仕組みとして、階段昇降やマイカップ利用など、多様なエコ活動をポイント化し、Web上に自己申告。ポイント獲得上位者を定期的に表彰していた。しかし、Web入力を手間に感じることもあるため、利用率が徐々に低下。そこで、企業が社員証として利用するFeliCaのICカードとインターネット接続可能なPaSoRiのカードリーダを使い、かざすだけでポイントを付与し、モニター画面やWeb上でリアルタイムにポイント数やCO2削減量、個人ランキングなどを確認できるシステムを構築した。
利用者は従来通りWeb上でエコ活動の自己申告もでき、活動進捗をチェックするMyページの設定やICカード認証付プリンタや複合機と連動させることも可能である。
なお、「エコピヨ」はFeliCaだけではなく、TypeA、TypeBにも対応している。付与するポイントは環境省が推進し、ジェーシービー(JCB)がプラットフォーム運営を行う「エコ・アクション・ポイント」を採用している。
成果の見える化で
エコ活動が継続できる
具体的にポイント化できるエコ活動は、エレベータを使わずに階段を利用する、外光を利用して仕事をする、マイカップ・マイボトルを利用する、出張せずTV会議システムを利用する、コピーの利用方法を工夫して紙の消費を抑えるなどがあるが、導入企業が自由に設定できる。そして、階段やコピー機横にカードリーダを置きICカードをかざすことで、「エコピヨ」のデータサーバに情報が蓄積され、例えばコクヨファニチャーの場合、階段を利用したら20ポイントというように、エコ活動に応じて導入企業が事前に設定したポイントが付与される。さらに、個人のパソコンから全社の活動を進捗したり、個人別・組織別ランキングなどの活動状況を確認することが可能だ。活動実施前後を比較し、意識や行動の変化を測定するアンケート機能を標準装備しているので、システム利用効率を定量化することもできる。
このように、ICカードをかざすことにより、パソコンで見える化することで、楽しくエコ活動ができるだけでなく、目標達成状況に応じて変化する画面背景、個人の活動進捗にあわせて成長するエコレベル、個人・グループで競い合えるランキング機能など、エコ活動を無理なく続けられる工夫も充実している。
導入企業は、貯まったポイントをエコ・アクション・ポイントと交換することで、環境保全活動に寄付したり、個人ごとにポイント還元することもできる。コクヨファニチャーでもエコライブ品川に勤める約120人の社員がエコピヨに参加しているが、2カ月間でエコ・アクション・ポイントが3万ポイント貯まったという。同ポイントで、エコイベントで使う備品を購入したり、エコ活動を推進する団体への寄付などを考えているが、どのようにポイントを使うかはまだ検討中であるという。
なお、ポイントの原資については導入企業が負担することになる。