2019年7月11日7:00
タレス(Thales)・グループのジェムアルト(Gemalto)は、公式なIDを持たない人々が世界で10億人以上いるという課題に対し、アイデンティティマネジメントシステム(IDMS)を政府機関へ提供すると発表した。最新の生体情報収集と本人認証の技術を使用したジェムアルトのソリューションにより、公的機関は市民に対して基本ID(身分証明)の機能を提供できるようになる。同システム上で、本人確認および認証を行うことで、教育や医療といったオンラインおよびオフラインサービスへのアクセスを担保するだけでなく、選挙への参加、パスポート発行申請、銀行口座開設を行う権利も保障するという。利用機関は各自の個人情報管理を掌握すると同時に、個人データがサービス提供者に公開される状況や方法の選択も可能になる。
ジェムアルトのIDMSは、公的機関が既存のID管理の仕組みに追加し、相互連携を調整することができるエンドツーエンドの完全統合型ソリューションとなる。導入時には、まず対象となる個人情報の登録と生体情報の読み取りを行う。容易に使用できる通信が担保されたモバイル技術により、遠隔地での登録も可能であり、登録が完了すると、中央のデータベースや市民台帳に入力され、一意の個人IDが発行される。
同システムで管理する基本IDは、デジタルおよび物理的なIDの発行およびさまざまな公的機関や公的サービスへの登録時の基礎となる。各個人の生体情報と一意のIDによって正確な認証を実現する。
また、ユニバーサルIDプログラムにより、政府機関は、公的サービスの正確な計画立案と社会的包摂のための包括的な戦略を推進できる。デジタルIDプラットフォームの一部として不正行為の脅威を防止する堅牢な保護機能と共に、効率性と利便性を高めことで、電子サービスの導入を促進させる。加えて、基本IDの発行により、医療や福祉を担当する機関にとって、個別の登録手続きの断続的な反復が不要になる。