2021年1月26日20:00
中国の大手テクノロジー企業であるテンセント(Tencent)は、コロナ禍での訪日外国人観光客の入国禁止措置等が取られている状況下において、コミュニケーションプラットフォームである「ウィーチャット(WeChat)」が日本企業の中国市場への進出を支援し、中国人消費者向けのオンライン販売を拡大させていると発表した。2020年末時点で日本国内の加盟店数が前年より80%増えた決済サービス「WeChat Pay(ウィーチャットペイ)」は、ウィーチャット内で提供されるミニプログラムの1日あたりの平均取引額が5倍へと急増しているそうだ。
新型コロナウイルス感染症拡大により、短期的な事業回復だけではなく、長期的な事業戦略とその優位性の確立に向け、日本においてデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みは急加速している。テンセントの主力製品の1つであるWeChatは、特に小売や食品、運輸の分野において多くの日本企業が中国内外の中国人消費者を始めとするWeChatユーザーのニーズを取り込めるよう支援しているそうだ。
2020年、北海道富良野市は観光都市として、WeChatと連携したスマート旗艦プロジェクトを始動させた。地域の販売事業者の60%以上がWeChat Payを導入し、WeChatミニプログラムを使ってバスの時刻表やスキー場のチケット販売、スマホオーダーサービスなどを提供している。コロナ禍によって激減した訪日外国人観光客による販売落ち込みに対し、ツルハドラッグや阪急阪神百貨店などの日本大手小売企業は、WeChatが構築しているエコシステムを活用することで、越境ECビジネスへの移行に成功しているという。
なお、中国内外におけるWeChatの月間アクティブアカウント数は12億人超に達し、WeChat Payの月間アクティブユーザー数は8億人以上、WeChatミニプログラムの1日あたりアクティブユーザー数は4億人を超えているそうだ。
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ペイメントナビ編集部
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