2021年5月24日11:04
高知県日高村は、Society 5.0の実現に向け、公的サービスの質向上や地域のコミュニケーション活性化に取り組む「村まるごとデジタル化事業」の推進を目的に、チェンジ およびKDDIと包括的連携協定を2021年5月24日に締結した。
3者は、スマートフォンの普及促進活動や防災・健康・地域通貨・メッセンジャーなどのスマートフォンアプリの利用促進を通じて、2021年度中に、日高村で生活する住民のスマートフォン普及率100%の実現を目指す。
3者の包括的連携のもと、各々の人的・知的資源の活用を図りながら、日高村のデジタル化と地域課題に対応し、地域の発展に寄与することを目的に、①マートフォン100%普及による新しい行政の在り方の追求と地域課題の解決、②Society5.0の基盤整備のため、デジタル活用のプラットフォーム化推進検討、③同協定で取り組む事項での地域内資源の活用、という協定を締結した。
日高村は、高知市内から16km、車で約30分のところに位置する人口約5,000人の村だ。少子高齢化による人口減少で、地域を担う人材の不足、地域サービスの質低下、コミュニティの崩壊などが懸念されている。これらの課題をデジタルの力で解決するため、日高村ではSociety5.0社会に適応できる村づくりに取り組む「村まるごとデジタル化事業」を掲げている。同事業の一環として、住民のスマートフォン普及率100%およびアクティブ率100%を目指す。同取り組みで、新しい時代の流れを力とし、住民が質の高い生活を送るためのサポートを実施していく。
具体的には、スマートフォン未利用住民約1,100名へauショップ出張販売によるスマートフォンの普及促進、②スマートフォン教室の開催による、スマートフォン利用の促進(新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況を注視したうえで開始時期を決定予定)、③スマートフォンアプリ (防災/健康/地域通貨/メッセンジャー) のインストールサポート、を行う。
「高知防災」(提供元: 高知県)は、防災や国民保護情報の提供により災害情報をいち早く得られる環境づくりだ。防災マップ (避難所やハザードマップ)表示、安否確認機能を通じた防災意識および安全意識の向上につなげる。「ポケットヘルスケア」(提供元: KDDI)は、(1)健康情報 (歩数・体重など)の記録による健康活動の記録と意識向上、(2)運動や健康活動の実施でインセンティブ (地域通貨)を発行し利用を促進、(3)将来的には取得した健康活動データをもとに社会保険費削減の根拠にしていく予定、だという。
地域通貨「chiica」(提供元: トラストバンク)は、ポケットヘルスケアやスマホ普及事業で獲得した地域通貨の利用基盤となり、取得した地域通貨を利用することで、地域経済を活性化させる。
「LINE」(提供元: LINE)では、日高村LINE公式アカウントから情報発信を行い、リアルタイムな情報伝達を行う。また、利用する村民同士のメッセージ交換、無料通話によるコミュニケーション活性化につなげる。
各者の役割として、日高村は、チェンジ、KDDIとともに本事業を推進し、村内事業者の共助と住民同士の互助による高齢者層へのスマートフォン普及と利用を継続的にフォローする。チェンジは、同事業全体のプロジェクトマネジメント、運営支援、デジタル化やDX化支援を実施。地域通貨アプリを運営するトラストバンクと連携による、地域通貨の導入・活用支援を行う。KDDIは、スマートフォンの出張販売および利用促進支援、”ポケットヘルスケア”の提供による村民の健康促進につなげるそうだ。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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