2011年1月19日12:55
(18)オリエントコーポレーションの「MasterCard PayPass」「NFC」 の取り組み(上)
国際標準の「MasterCard PayPass」を日本で一番初めに推進
モバイルNFCの実証実験をスタート
オリエントコーポレーションでは千葉県内の複合型商業施設と神奈川県横浜市のコレットマーレにMasterCardが世界的に展開する「PayPass」を搭載したクレジットカードの発行やリーダーライターの設置を行った。加えて過去にソフトバンクモバイルやKDDIが実施した実証実験に参加するなど、モバイルNFC技術にも注目している。同社では2011年1月以降に両社が実施する実証実験でも重要な役割を担っている。
コレットマーレなどにPayPassを導入
グローバルなインフラとして普及に期待
オリエントコーポレーションは2005年の千葉県内の複合型商業施設、千葉市の千葉マリンスタジアム、神奈川県横浜市のコレットマーレと提携し、MasterCardが展開する「PayPass」を搭載したクレジットカードの発行やリーダーライターの設置を行ってきた。
PayPassはMasterCardが2002年に開始したサービスであり、世界各国で本格的な利用がスタートしている。仕様は国際標準規格のISO/IEC 14443 TypeAもしくはTypeBをベースにしており、PayPass 機能は、すべてのMasterCardのクレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、Maestroカードに搭載することが可能だ。利用者はMasterCard加盟店のリーダーライターにPayPassの機能がついたクレジットカードや携帯電話をかざすだけで決済が完了する。また、国内だけではなく海外の加盟店で利用できることも大きなポイントとなっている。
「クレジットカードのVisaやMasterCardのようにカード決済はグローバルなインフラとして、世界中どこでも利用できるのが理想です。例えば、日本人が海外に行く場合も、外国人が来日する際も、苦労するのは低単価の決済や電車の運賃を支払うときが多いです。将来的には“NFCケータイ”を利用してPayPassやVisaが展開している『payWave』といった非接触IC決済を世界中で行うことができれば、利便性が高まることは間違いありません」(オリエントコーポレーション 執行役員 顧客営業推進グループ CRM開発推進部長 山口 朗氏)
同社では5年前からPayPassを推進しているが、導入した施設内の店舗に限って非接触IC決済が可能な展開を行っており、最近では「銀聯カードのように国を越えた決済スキームが話題となっていることもあり、国際標準に準拠した決済手段に関心を示される加盟店が多く、以前に比べて引き合いは増えています」と同社 顧客営業推進グループ CRM開発推進部 課長代理 長谷川 亮氏は説明する。リーダーライターのコストも2万円ほどとなっており、他の非接触IC決済に比べ加盟店のコストを抑えることが可能だ。