2021年9月21日8:50
“シンプル”“明瞭”を追求しサービス拡充を図る
ネットプロテクションズは、BtoC会員制決済サービス「atone(アトネ)」のリブランディングを実施した。クレジットカードを保有していても、あえてそれ以外の決済手段を選ぶ国内市場特有のニーズに応えるシンプルで明瞭な決済サービスとして機能を拡充し、一層の利用拡大を図る。
記事のポイント!
①BNPL市場が注目、欧米豪・東南アジアとの比較
②国内ユーザーが求めるのは「エシカル消費」?
③後払い「atone」をリブランディング
④「NPポイントクラブ」と「atone」の会員基盤を統合
⑤事業者は一度の開発で2つのサービスを同時に導入へ
⑥ユーザー自身が利用上限額を自由に設定
⑦NP会員の年代や利用額の特徴は?
⑧2.8億件超の購買データを活用へ
コロナ禍で躍進するBNPL市場
国内ではこの1年で20%超の伸び
コロナ禍でのEC利用の急成長にともない、世界的にBNPL(Buy Now,Pay Later=後払い)サービスの利用が拡大している(ネットプロテクションズによるBNPLの説明)。日本国内では2020年度から2021年度にかけてEC決済サービス市場が約12%拡大する中、後払い決済市場はその伸び率を超える20%超の勢いで伸長していると言われている。
海外に目を転じると、欧米豪ではクレジットカードの発行枚数が年々減少。それに反比例するように後払い決済の利用が増加している。クレジットカードから後払いへのシフト傾向が見られるわけだが、その理由は金利。欧米豪の主要後払いサービスは分割払いが主流だが、4回払いまでは金利・手数料無料としているところが多い。クレジットカードの分割払いでは金利の支払いが発生するため、金利を支払いたくないユーザーが後払い決済サービスに移行するケースが多いのだ。
東南アジア圏では、クレジットカード保有率はわずか8%、銀行口座保有率も55%と低い。一方、1人当たりの携帯電話加入台数は1.4台と高く、スマホ決済が主流だ。こうした背景によりスマホと相性の良い後払い決済サービスの利用が好調に伸びている。
クレジットカードを持っているのに利用しない
国内ユーザーが求める「エシカル消費」
ひるがえって日本国内のクレジットカード保有率は、じわじわと減ってはいるというものの、2009年が91%であったのに対し、2020年は87%と、依然高い水準にある。一方、その使い方は、一括払いが主流で、2カ月を超える分割/リボ払いの利用率は金額ベースで全体の7.8%にとどまっている。ちなみに米国におけるユーザー数ベースのリボ払いの利用率は54.7%である。
クレジットカード保有率が高く、かつ、一括払いにより金利や分割手数料の支払いも生じていない日本国内のユーザーが、なぜあえて後払い決済を選択しているのか――?
ネットプロテクションズの独自調査の結果、「あえてクレジットカードで買い物しない」理由の筆頭に挙げられたのは「セキュリティが心配」の70%だったが、以下2位以降に続いているのは「利用額がわかりにくく使い過ぎが心配」62.5%、「支払いの仕組みや金利が怖い」61.8%、「気づかないうちに購入が増えるのが心配」59.5%、「仕組みが難解で不明瞭」56.9%。つまり、「あえてクレジットカードで買い物しない最大の理由は『不明瞭さ』にあることがあぶり出されたのです」(ネットプロテクションズ マーケティング 兼 atoneグループ シニア・プロデューサー 長谷川智之氏)。日本国内で後払い決済が伸びている理由を、長谷川氏は、「自分にとって適切で健全な買い物をしたいというニーズが強いため」と見る。
これは国連がSDG‘sの中で掲げる「エシカル消費」に通じる。消費者・事業者が正しく健全に必要なものを必要な分だけ買ったり提供したりする義務や責任を果たす――。「atone」こそ、このニーズに対応する決済手段であると、ネットプロテクションズは位置付ける。
490万人のNP会員と加盟店を結ぶ
シンプルで明瞭なプラットフォームを提供
このような潮流を踏まえて、「atone」は、事業者向けのキーコピーを刷新するなど、リブランディングを行った。新たなキーコピーは「あえてクレカレスな490万人にアプローチ~明瞭さで選ばれる決済プラットフォーム」。
490万人という数は、2021年9月1日時点での「atone」会員を含む会員登録を済ませたNP会員数。NP会員は購買金額の0.5%のNPポイントを取得することができ、1ポイント=1円として次回の購買の値引きなどに利用することができる。ちなみに同時点での、会員登録不要の「NP後払い」利用者は1,080万人。これを母数に、NP会員は、2020年4月から2021年3月まで、月平均で約9万4,000人ずつの自然増を続けている。
ネットプロテクションズは「atone」が目指す決済のあり方として、「購入者に無理を強いない、させない。不明瞭さなく、不要/不当な購買を増進しないシンプル決済であること。また、そうした消費者との健全な出会いを事業者に提供するプラットフォームとなること」を掲げている。具体的に、ユーザーに対しては、金利や手数料などのわかりにくいコストや購買フローを排除するとともに、必要以上の利用金額上限設定や過度な値引きキャンペーンを行わず、ユーザーの購買意思を尊重する。事業者に対しては、導入・運営の負荷を極力減らすと同時に、一見で終わらないユーザーとの接点創出を提供することを目指している。
会員基盤一元化、上限設定機能等サービスを増強
2.8億件超の購買データを活用へ
ネットプロテクションズではリブランディングを機に、「atone」のプロダクトを拡充し、サービスを強化する。
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