2022年9月26日17:47
NTTドコモは、自治体向けに提供する、健康増進サービス「健康マイレージ」において、フレイル推定AI機能や見守り機能などの新機能を追加し、2022年9月26日からサービス開始すると発表した。
また、ヘルスケアに関連したさまざまなAIを集約・搭載し、健康状態や生活習慣などの推定サービスを事業者向けに展開する「ヘルステック(HealthTech)基盤」についても併せて提供開始する。
同サービスは、2018年2月6日に、自治体向けに提供を開始した健康増進サービスとなる。歩数計やスマートフォンでカウントした歩数に応じてポイントが貯まり、貯まったポイントを自治体ごとの景品に交換可能なサービスだ。自治体は参加者の歩数などのバイタル情報の閲覧や情報の分析などが可能となり、商店街で使える商品券などのインセンティブ設定や店舗との連携促進などにより、地域の活性化を推進することが可能だ。すでに、100以上の自治体で導入され、住民の健康促進に役立てられている。
フレイル推定AI機能では、ヘルステック基盤上の要介護状態に至るリスク度合いを推定するAI(フレイル推定AI)により、スマートフォンに蓄積された生活習慣情報や、位置情報などから自動的にフレイルリスクを推定しサービス利用者へ通知する。
見守り機能では、スマートフォンの位置情報から、通常時の見守りや災害の際の逃げ遅れを検知する。自治体による高齢者の見守り負担軽減や遠方の家族へ通知することが可能だ。
さらに、オンライン診療アプリ「CLINICS」との連携により、健康マイレージアプリからオンライン診療や服薬指導など一気通貫で利用が可能になる。また、保健指導サービス「Mealthy」との連携により、管理栄養士による遠隔食事指導が受けられる。
なお、今回新たに提供する機能については、昨年度より、複数の実証案件で効果検証を積み重ねてきたそうだ。
「フレイル推定AI」「見守り機能」「遠隔食事指導」を活用した事例として、個人の健康リスクや災害のリスクを遠く離れたご家族や民生委員と共有し、個人の健康や安全を社会で作っていくサービスを実施した。65歳以上を対象に参加してもらい、70%以上の高いリスク推定精度、および実施後のアンケートでも非常に高い満足度を確認できたそうだ。
「フレイル推定AI」を活用した事例として、50歳~74歳の都内在住もしくは都内通勤者340人を対象に、個人のフレイルリスクやリスクに応じた健康行動をナッジを活用したメッセージで推奨したところ、フレイル予備軍の約50%に行動変容が確認でき、フレイルリスク値10%の低減を認めたという。
また、令和4年度ヘルスケアサービス社会実装事業費補助金「地域や職域の課題に応えるビジネスモデル確立に向けた実証事業」(愛知県豊田市)、レイルリスク「見える化」・行動変容促進による介護予防高度化ソリューションの実装化事業(東京都)といったように、同提供機能を活用した自治体の実証事業が採択されている。
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ペイメントナビ編集部
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