2022年9月28日8:30
ファクタリングサービスを提供するペイトナーは、2022年9月20日に説明会を開催し、更新系APIを活用したスモールビジネス向けの受取請求書処理サービス「ペイトナー請求書」を提供すると発表した。同サービスは、請求書をアップロードすることにより、請求内容のデータ化や管理、会計システムへの連携、振込実行までを自動で完結することができるという。
経営者は月末・月初に請求書業務に追われる
処理業務を代表1人で行うことも多い
ペイトナーは、2019年2月に創業した会社で、2019年9月に「ペイトナーファクタリング」をリリースした。また、フリーランスでも発行可能な法人カード「Paytner Card(ペイトナーカード)」をライフカードと提携して提供している。「ペイトナーファクタリング」は、請求書の債権を買い取って、ペイトナーが代わりにお金を振り込むことで、スモールビジネスの資金繰りを支援している。同社では、「スモールビジネスにやさしい支払い・請求で、新しい挑戦を後押しする」ことをミションに活動している。
同社のユーザーインタビューによると、事業者が「ペイトナーファクタリング」を思い出すのは、請求書の支払い時やクレジットカードの引き落とし時であり、「支払いぎりぎりになって支払いニーズを認識しています。実際に、ファクタリングも波があり、月末・月初に固まっています」とペイトナー 最高執行責任者 野呂 祐介氏は話す。こういった状況を踏まえると小規模事業者は資金管理が効率よくできていないため、適切に行うことができるプロダクトが必要だとした。スモールビジネスでは、請求書の処理業務は代表1人で行っていることも多い。
現在、請求書関連では、2023年10月に開始されるインボイス制度、2024年1月の電子帳簿保存法の話題があがっているが、小規模事業者を顧問としている税理士などによると、「準備ややり方が分からない」「直前まで対応しない」という反応だったという。
日本商工会議所の調査によると、電子帳簿保存法への対応の意向として、1,000万円以下の事業者の36%が「制度がよくわからない」という回答だった。また、インボイス制度導入への準備状況として、73%が「特に何もしていない」と回答した。小規模な経営者にとって、請求書や振込業務は、手間や時間がかかり、法改正についていけない課題がある。
AI-OCRと専属オペレーターで自動データ化
電子帳簿保存法にも対応へ
新たに提供する「ペイトナー請求書」は、請求書のデータ化や振込業務を自動化するスモールビジネス向けのクラウドサービスだ。あらゆる請求書業務から解放がコンセプトとなり、「月末、月初に忙しいことから卒業するのを目標として展開していきます」と代表取締役社長 阪井 優氏は説明する。
特徴として、AI-OCRと専属オペレーターによる請求書データの自動データ化を実現。税理士にも共有のアカウントを連携することで、スムーズな書類の受け渡しや管理ができるようになる。振込時は1件1件手動で行うと時間と手間がかかるが、自動振り込み機能で毎月の振込業務を効率化する。さらに、予約をすると支払い期日に振り込まれるため、振込ミスが限りなくゼロになるとした。前述の電子帳簿保存法もサービスを導入すると対応が可能だ。
具体的な利用の流れとして、まず経理が請求書をPDFなどでアップロードして登録する。その情報をAI-OCRとオペレーターにより自動で登録し、支払い口座情報を紐づける。その情報はマネーフォワード、freee、弥生会計といった会計ソフトに連携できる。また、請求書データは顧問の税理士が閲覧することで、仕訳内容のチェックをスムーズに連携できる。登録された請求書は一覧化されているため、支払い指示を出し、ユーザー開設のGMOあおぞらネット銀行の口座から振込が実行される流れだ。
具体的な提供価値として、①ペイトナー請求書のシステム内で受注管理できる、②ペイトナー請求書でクラウド管理できる、③税理士とのスムーズな情報連携が可能、④連携口座から振り分けて自動で支払い可能、⑤ペイトナー請求書で回収状況をリアルタイムに一括管理、という5つがあるとした。
類似サービスと差別化を図る
連携する税理士にもメリット
料金は初期費用無料、月額費用1万円、振込手数料1件当たり300円だが、リリースキャンペーンとして、月額費用が無料となる。有料プランは請求書のアップロードにより、すべての項目が自動入力され、振り込みまで完結できる。なお、請求書の一部項目を利用者自身で入力してもらうことで、振込まで完結する無料プランも提供する。
「ペイトナー請求書」の類似サービスは複数あるが、その多くは専属経理が1名以上、仕訳は内部からなどとなる。また、主に中規模・大規模法人が対象となるが、「ペイトナー請求書」は小規模法人・ベンチャー企業を中心に提供し、請求書も30枚弱となるため、差別化は図れるとした。
小規模事業者がこれまでターゲットになっていなかった理由として、課題が大きくなく、営業コストに見合う売上が上がらないことを挙げた。また、ITリテラシー環境が整っておらず、オンボーディングコストが高いこともある。「ペイトナー請求書」は仕訳やマスターは排除して請求書を取り込むだけで済むため、これらの課題を解決可能だという。また、パンチ作業が不要になるなど、連携する税理士にもメリットがあるとした。
GMOあおぞらネット銀行と決済機能実装
今後の展開は?
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