2022年11月10日8:00
楽天ペイメントは、2022年11月8日に、NFC(TypeA/B)による「タッチ決済市場と楽天ペイ成長戦略」と題した説明会を開催した。当日は、タッチ決済の現状、楽天ペイメントの取り組みや今後の展開について紹介した。
主要コード決済アプリで国内初タッチ決済対応
政府の統計によると、2021年の国内のキャッシュレス比率は32.5%となり、8割の比率を超える中国や韓国よりも低い数字となる。7割が現金決済となるように、「まだまだポテンシャルはあるとみて取れます」と楽天ペイメント 楽天ペイ事業本部 マーケティング&編成部 ユーザーマーケティンググループ マネージャー 奥村祥語氏は説明する。日本のキャッシュレス比率は2008年から2倍となっており、成長している。政府では2025年に40%の比率を目指しており、2022年のデジタル庁の会議では“2030年には100%ゼロキャッシュを目指すべき”とされており、楽天ペイメントでもさまざまな手段や方法でユーザーにキャッシュレスを提供していきたいとした。
現在、国内のキャッシュレスでは「楽天ペイアプリ」でも提供するコード決済(QR/バーコード決済)の伸長率が高いが、クレジットカードも伸びており、32.5%のうち27.7%と全体高い比率となっている。
楽天ペイメントでは、主要コード決済アプリで国内初めて、楽天ペイアプリで「楽天カードタッチ決済」が利用可能となった。タッチ決済は、TypeA/Bをベースとしたサービスだ。国内ではこれまでFeliCaをベースとした非接触決済が「楽天Edy」や「Suica」などで用いられていたが、TypeA/Bは世界標準の支払いとして、広がっている。
国内でのタッチ決済は成長途上だが、例えばVisaの資料によると、2021年から2022年の第一四半期を比較すると公共交通機関では38.1倍、家電量販店は20.3倍となるなど、大幅に利用が伸びている。また、全世界のVisa対面決済におけるタッチ決済比率は50%まで広がっているとした。
多様な認証方法を用意
現在、楽天グループでは、フィンテック領域の売上がグループ収益の32%を占めている。楽天グループでは、楽天ペイメントが提供するスマートフォン決済、電子マネー、ポイントカードに加え、暗号資産取引所、クレジットカード、銀行といったさまざまなキャッシュレスサービスを展開している。
楽天ペイメントでは、「原資レイヤー」「ID・IFレイヤー」「プロトコルレイヤー」の3層レイヤーの戦略を取っている。原資レイヤーは、クレジット、ポイント、銀行といった支払い原資を多様に拡充している。ID・IFレイヤーは楽天IDによって楽天会員基盤に集約している。プロトコルレイヤーは、認証方法となり、バーコード決済、QRコード決済、FeliCa決済に加え、NFCタッチ決済を認証方法に追加した。
現在、楽天ペイアプリでは、①チャージする、②支払う、③送る、④貯める、⑤運用する、⑥チャージして電車に乗るなど、オールインワンのサービスを提供している。例えば、楽天キャッシュでは、暗号資産や楽天カードからチャージして、全国500万箇所以上のリアル店舗で使用可能だ。また、海外旅行から帰った際は、余った外貨をポケットチェンジから楽天Edyに交換して、街のお店で利用することもできる。
楽天ペイアプリは2016年に誕生したが、当時のQR/バーコード決済から、2019年に楽天ポイントや楽天Edy決済、2020年にSuica、2021年に楽天銀行口座払い、2022年にタッチ決済と機能を拡充してきた。
10月から対応したタッチ決済の対象カードは楽天カードのVisaとMastercardとなっている。今回のタッチ決済への対応により、世界中で楽天ポイントを貯めることが可能だ。
同社では楽天カードを利用したタッチ決済のメリットとして、アプリの立ち上げが不要、チャージ不要、サインや暗証番号が不要な点を挙げた。利用者はAndroidスマートフォンに楽天カード(Visa/Mastercard)を登録し、楽天ペイアプリから楽天カードタッチ決済を設定して利用可能だ。
コード決済の利用もアップ、シンガポールで使った感想
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