2022年12月9日8:00
大阪ガスとギフティは2022年12月2日に記者会見を開き、デジタルチケットサービスと旅先納税の分野で業務提携したと発表した。関西圏の飲食店を中心とする地域店舗のネットワークを持つ大阪ガスと、ギフティが展開しているデジタルプラットフォーム「e街プラットフォーム」を連携させ、コロナ禍での苦境を経験した飲食店などの地域店舗の集客を支援するのが狙いだ。大阪ガスは、関西の地方自治体に参加を呼びかける一方で、業界団体にも連携を働きかけ、同じようなデジタルサービスの枠組みを横展開することも検討している。2025年に大阪万博の開催を契機に、飲食・観光産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて地域活性化への貢献を目指す。(ライター:小島清利)
食のインフラをデジタル化し、元気な関西の再生に貢献
大阪ガス常務執行役員の近本茂氏は記者会見で、「今回、ギフティと提携することで、大阪ガスが保有する食のインフラをデジタル化し、地域が抱えるさまざまな課題の解決に繋げたいです。2025年の大阪万博へ向け、『いっとくパス』の普及を促進し、将来的には飲食店・ホテル・イベントなど1万店舗で利用できる電子チケットを目指し、元気な関西の再生に貢献します」と意気込みを語った。
関西は歴史的な町並みと、近代的な繁華街が混在し、魅力的な観光資源が豊富なエリアだ。大阪、京都、神戸、奈良と有数の観光地が近距離で存在し、地域それぞれの特徴的な食文化も、魅力的な飲食店も数多くあるが、コロナ禍に伴う外食機会や観光客の減少や、光熱費の値上がりによる飲食店の経営状況の悪化など、消費の冷え込みにより地域経済が停滞している。
大阪ガスグループは、都市ガスを使ってもらう中で築いた飲食店との豊富な接点と、関西のグルメ雑誌「あまから手帖」の発刊などで得た食の知見や財産、約200万人のWEB会員などの顧客規模を保有している。一方のギフティは、デジタルギフト・チケットに精通した豊富なノウハウ、店舗でのサービス運用を円滑に進めるシステム構築力、旅先納税の実施による地域サポートの実行力を持っている。今回の提携は、両者のノウハウを掛け合わせることによって、地域の活性化への貢献を目指すものだ。
大阪ガスの供給地域を中心に関西の自治体に参加を呼びかけ
地域店舗や地方自治体と連携したデジタルチケットサービス「いっとくパス」は2022年12月5日からスタートし、大阪ガスのお客さまと地域の店舗をつなぎ、加盟店の効率的な新規顧客の集客に貢献するものだ。「いっとくパス」は3つのサービスからなる。
まず、「いっとくパス無料クーポン」は、会員専用サイト「マイ大阪ガス」や「スマイLINK」専用サイトから会員に無料クーポンが届く仕組み。また、「いっとくパス商品券」は、大阪ガスが展開している節電キャンペーンや、新たに電力契約したユーザーへの特典として「スマイLINK」ボーナスが付与され、デジタル商品券に交換し、加盟店の飲食費などに利用できる。
この「いっとくパス」のプラットフォームを活用した「関西おでかけ納税」は、大阪ガスとギフティが展開する現地消費型のふるさと納税だ。提携先の行政と連携し、寄附に対する返礼品として「いっとくパス」を介して発行した「おでかけ商品券」が即時にスマートフォンに送付され、寄附者は、訪問中の地域の加盟店で利用することができる。2023年1月以降にスタートする予定で、辻本氏は「従来のふるさと納税では利用できなかったアクティビティなどのコト消費にも活用することができます。大阪ガスのエネルギー供給地域を中心に、地方自治体に連携を呼びかけていきます」と話す。
大阪ガスが加盟店ネットワークや事務局機能、プロモーションを担う
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