2023年6月19日8:30
ふくおかフィナンシャルグループ傘下のみんなの銀行は、2021年5月28日のサービス提供開始から2周年を迎えたことを記念し、2023年6月6日に記者説明会を開催した。当日は、みんなの銀行 取締役頭取 永吉 健一氏が2022年度の1年間の取り組みを紹介するとともに、REVOLUT TECHNOLOGIES JAPAN(レボリュート・ジャパン)との提携などを発表した。
67万口座、預金金額は227億円
ローンサービスはシンプルなUI/UXで作り込む
みんなの銀行の口座開設数は2023年5月時点で67万口座、15~39歳のデジタルネイティブ世代で71%の利用がある。ユーザーは首都圏を中心に、人口動動態に沿った形で利用されているそうだ。2023年3月時点での預金金額は227億円、当座貸越は23億円、アプリ完結のローンサービス「みんなの銀行Loan」の貸出金は48億円となっている。
若い世代の利用が中心のため、口座数や預金額は想定目標に届かず、永吉氏は「60点」と評価したが、例えばデジタルバンクとしてみんなの銀行Loanの申込件数の伸びなどは手ごたえを感じているそうだ。3年目は「BaaS元年」と位置づけ、BaaS事業のエンドユーザーの先にいる顧客の獲得に取り組んでいく。
みんなの銀行のこの1年を振り返ると、BtoC事業として、みんなの銀行Loan、「Record(レコード)」のアップグレード、LINKS、「U25 Z割」、「ことら送金」を開始している。
2022年7月に開始したみんなの銀行LoanはシンプルなUI/UXを意識して作り込んだという。年収情報だけを入力することで、最短2分でパーソナライズしてローンサービスを提供可能だ。利用者の声からも狙い通りの操作性であることを実感できた。また、今夏には分割返済をユーザーのニーズに応じて提供する予定だ。返済金額、期間で設定したり、スケジュール管理機能で計画的に返済できるようにする。
25歳以下対象の「U25 Z割」
「ことら送金」は平均で入金月2.3回、出金月2.4回
Recordのアップデートでは、みんなの銀行では「お金のSNS」として、SNSのように便利に使ってもらうことを目指している。2022年10月には、レコードの「ハッシュタグ機能」をアップデートし、利用者が日々のお金の出入りを振り返ることができるようにした。年のアプリのバージョンアップ回数は18回。永吉氏は「一般的な銀行(ネット銀行除く)は年間2回くらいですが、日々お客様のニーズに応じてプロダクトを改善しています」と説明する。
LINKSは、利用者が振り込みをした際に、その振込先を友だちの登録のように管理できる機能だ。現在は振り込みした先をLINKSに登録できる機能にとどまるが、発展形としてお金を請求する機能、電話番号やメールアドレスでお金を送れることらの送金先にも一元管理できる機能も検討を進める。
25歳以下を対象とした「U25 Z割」は、2023年3月より開始。これは、25歳以下であれば、ATM出金手数料、および他行振込手数料が月3回まで無料な特典が特段の手続きは不要で毎月自動的に適用されるものだ。
4月からは、小口送金サービス「ことら送金」の取り扱いを開始。ことら送金は1回あたり10万円以下の個人宛送金が対象となり、他行宛の送金も手数料無料。前述のように、携帯電話番号やメールアドレスでの送金・受取が可能だ。永吉氏は「ことらを利用できる金融機関はメガバンクを中心に30行ほどありますが、自社のバンキングサイトからダイレクトにできるのは少ない」と話す。電子マネーやメールアドレスを登録したエイリアス口座登録状況は5週目で4万ユーザーまで日増しに増えている。登録者の返金の入金は月2.3回、出金は月2.4回の実績が出ている。お金の管理が身近になることに加え、個人間、自身の口座間もつなげるサービスとして発展させていきたいとした。
みんなの銀行では、2周年を記念して、みんなの銀行の使い方や魅力を自身のライフスタイルとあわせて発信してもらう「第1期みんなの銀行アンバサダー」を6月6日~25日の期間で募集している。アンバサダーに選ばれた人の活動期間は、7月から2024年5月までとなり、オリジナルグッズやSNSアイコン用描きおろしイラストをプレゼントする。また、イベントへの優先招待など、さまざまな特典を用意する予定だ。
FAPI準拠のBaaSプラットフォーム
累計6つの連携先
BtoCに加え、BaaS事業の取り組みも進めている。みんなの銀行では、日本の銀行では初めてFAPI(Financial-grade API)に準拠したBaaSプラットフォームを開発。また、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)、イーデザイン損保とBaaS事業に関わる基本合意を立て続けにリリースした。足元では、三井住友海上プライマリー生命保険によるスマートフォン完結型の変額年金保険「AHARA(アハラ)」の発売に伴い、プライマリー生命とのAPI連携を開始している。現在、BaaS事業では、累計6つの連携先がある。
マネーフォワードは2022年11月より、「マネーフォワード ME」「マネーフォワード クラウド」といったサービスで、みんなの銀行との連携を開始している。みんなの銀行では、FAPIによる認証でシームレスな体験を設計することができるとした。セキュリティを強化すると操作性が落ちると言われるが、口座番号やインターネットバンキングのパスワードを登録しなくても、生体認証やトークンのやり取りなどで登録が安全にできるという。同11月には、パーソルテンプスタッフに所属する派遣スタッフ等として働く人向けの銀行サービスを提供することを目的とした「みんなの銀行テンプスタッフ支店」におけるサポートメニュー拡充の一環として、同支店の利用者を対象とした「はたらくサポートプログラム」の提供を開始している。
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