2023年7月24日9:00
高額所得者の多い個人会員の入会や三井住友信託銀行の取引基盤を活用へ
三井住友トラストクラブは、国際ブランドのダイナースクラブ(Diners Club)を発行する国内唯一の企業だ。同社では、中小企業や個人事業主向けのビジネスカードとして「ダイナースクラブ ビジネスカード」や「ダイナースクラブ ビジネスプレミアムカード」を発行している。また、中堅企業や大企業向けには「ダイナースクラブ コーポレートカード」やプラスチックレスの精算システム「コーポレートパーチェシングシステム」を提供している。同社では高額所得者が多くを占める「ダイナースクラブカード」の特性、三井住友信託銀行グループの取引基盤を生かし、法人・ビジネスカードの展開を強化している。
収入・将来性・安定性が高い高額所得者が多い
ビジネスカードは急激に成長
三井住友トラストクラブでは、法人・ビジネスカードの発行に力を入れている。BtoBの決済分野は1,000兆円の市場と言われているが、キャッシュレス比率は1割にも満たない状況だ。成長するポテンシャルが高いマーケットであり、カード会員もまだまだ開拓の余地がある。
また、個人会員で「ダイナースクラブカード」、とくに上位の「ダイナースクラブ プレミアムカード」を保有している会員は何かしらの事業を行っている「経営者」が多い。三井住友トラストクラブの会員属性は、企業オーナー役員が21%、自営業が7%、医師・歯科医が14%、弁護士・会計士が2%など、収入・将来性・安定性を兼ね備えた経営者・高額所得者で構成されている。そのため、個人カードと合わせて、ビジネスカードを保有してもらうことで、会員のニーズに応えられるものとしている。
これまでの実績として、三井住友トラストクラブ 執行役員 営業本部長 浦郷恒氏は「数字は非開示ですが、法人・ビジネス分野は順調に伸びています。特にビジネスカードは2021年に商品ラインアップを充実させたことで、急激な成長につながっています。会員の規模は他社に比べてまだまだ少ないですが、口座数の伸びはコロナ前から1.5倍となり、利用単価も高いです」と成果を述べる。
Mastercard「コンパニオンカード」も保有可能
高額な決済に対応した利用限度額
同社では、2021年12月から「ダイナースクラブ ビジネスカード」を刷新し、新たに「ダイナースクラブ ビジネスプレミアムカード」をラインナップに加えている。まずは同カードの会員になってもらい、企業の規模が大きくなり、従業員が増えれば、「ダイナースクラブ コーポレートカード」のニーズが出てくる。
浦郷氏は「コーポレートカードについては、お客様の利便性を高めるために7月からMastercardブランドの『コンパニオンカード』の発行を開始しています」と話す。コンパニオンカードは以前から個人向けの「ダイナースクラブカード」に付帯していたが、コーポレートカードでも2ブランドに対応することで、より会員の利便性が高まった。
ビジネスカードに求められる機能として、高額な決済に対応した利用限度額が挙げられるが、「個人カードのノウハウが生きており、差別化できています」と浦郷氏は話す。ビジネスカードの与信枠の上限は個別に設定しており、柔軟に対応可能だ。例えば、商品の仕入れ、通信費、光熱費、Web会議ツール、SaaSの費用、広告費などで利用されている。浦郷氏は「Web広告は、広告枠を獲得する際にカード決済となりますが、高額になるため他のカードでは制限がかかる可能性がありますが、弊社では柔軟に対応できます」と説明する。
T&E分野では航空券の決済が増えてきた。リモートワークの普及によってコロナ前の件数には戻らないとしながらも、航空単価が高まっているため、同水準の金額の利用を見込んでいる。また、ビジネスプレミアムカード会員からは、コンシェルジュサービスも喜ばれているそうだ。
パーチェシングシステムは近年大きく成長
「DGFT請求書カード払い」開始の背景は?
ビジネスカードの会員獲得は、営業部隊による対面販売、Webチャネルや会員誌を使った展開に加え、三井住友信託銀行のチャネルも活用している。また、利用者のニーズを把握した会員募集や、加盟店からの紹介もあるそうだ。
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