2024年3月22日8:18
TIプランニング ペイメントナビ編集部は、2024年3月5日に品川フロントビル会議室において、「ペイメント・セキュリティフォーラム2024」を開催した。2020年以降はコロナ禍でオンライン、もしくはリアルとハイブリッドの開催だったが、2019年以来のリアルのみでの開催となった。
同フォーラムは、国際ブランド、ウォレットイシュア、加盟店、BNPL事業者、関連団体など、決済セキュリティに関わるプレイヤーが一堂に登壇した。
基調講演では、ビザ・ワールドワイド・ジャパン コア・プラットフォームソリューションズ 部長 田中 俊一氏が登壇。「デジタル化社会に向け、安心・安全と利便性向上を共に実現する決済体験の提供~不正利用の全体動向とVisaトークンサービスの進展~」と題して講演した。
続いて、不正検知サービスを提供するかっこ O-PLUX事業部 小林太平氏が「3Dセキュアの導入率は3割!?データから読み解く最新の不正状況と業界横断的な不正対策の取り組みについて」紹介した。
メルカリ JR TnS Product Director 田中啓介氏は「フリマアプリ『メルカリ』の不正対策の取り組み」について語った。
Accertify, Inc.のランチセッションでは、「オンラインサービスにおける決済プロセスの最適化と、加盟店売り上げの最大化を実現するソリューションの提供」と題した講演をアメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.Accertify事業部門 日本統括代表 山形一文氏が行った。
午後のセッションでは、エクスプライス 取締役 営業本部長 大西 剛氏とスクデット 取締役 関 隆進氏が登壇。両氏は「家電EC「エクスプライス」が語る、不正利用を大幅に削減できた理由〜不正検知サービスの選定から、導入、運用方法まで〜」について語った。
MIXI 開発本部 MIXI M事業部 システムグループ 浅見 公輔氏は、「クラウドを活用したEMV 3-Dセキュア内製開発」について紹介した。
不正対策はクレジットカードはもちろん、それ以外の決済においても重要だ。LexisNexis Risk Solutions カントリーマネージャー 雨宮吉秀氏は、「デジタル世界でユーザーを知り不正に立ち向かう 新たな決済手段の登場を見据えて」と題して講演した。
BNPLの不正対策の取り組みについては、Paidy CISO Jeremy Turner氏が紹介。Jeremy氏は「あと払い(BNPL)サービス「ペイディ」のセキュリティの取り組み〜PCI-DSS v4.0準拠への対応もご紹介〜」について話した。
Nok Nok Labs, Inc. シニアセールスマネージャ 大久保勇次氏は、「Passkeys(FIDO)とEMV 3-Dセキュアを活用した非対面決済時の不正利用対策 〜パスワード・リスクからカード利用者を保護〜」について講演した。
大久保氏の講演後には、過去に開催した「ペイメントカード・セキュリティフォーラム」などTIプランニング/ペイメントナビのセミナーに数多く登壇した元Mastercardの丸山秀幸氏が登壇し、不正対策のこれまでの取り組みや現在の動向などについて説明した。
Forter Pte Ltdの講演では「国内外の不正トレンドと対策」について、Forter Pte Ltd カントリーマネージャー 野田 陽介氏が紹介した。
最終セッションでは、PCIセキュリティスタンダードカウンシル(PCISSC) アソシエイトダイレクター日本・韓国 井原亮二氏が「2024年‐ペイメントセキュリティのニーズに応えて」と題して講演した。
国内でのクレジットカードなど決済の不正利用は増加している。2019年以来のリアル開催となったが、約300名の申し込みがあるなど、関心の高いセミナーとなった。参加者も講師の話に耳を傾け、ペンを走らせていた。各社の講演内容については後日、ペイメントナビおよび新刊「キャッシュレス不正対策ガイドブック2024」で紹介する予定だ。