2011年5月18日8:12
主なコンビニエンスストアで続々とTOICA電子マネーサービスがスタート
相互利用により、全国の多くの場所で1枚のカードで利用可能な環境を整備
JR東海がIC乗車券「TOICA」の電子マネーサービスをスタートして約1年が経過した。2011年に入り、セブン-イレブン、ファミリーマート、サークルK・サンクスなど、大手コンビニエンスストアを中心に導入店舗が拡大するなど、着実に加盟店は増えている。JR東海におけるTOICAの狙いについて話を聞いた。
TOICAの発行枚数は108万枚
利用できる加盟店は12万2,000店舗
JR東海はIC乗車券「TOICA」を利用した電子マネーサービスを2010年3月からスタートした。2011年3月末現在、TOICAの発行枚数は108万枚。JR東日本の「Suica」、JR西日本の「ICOCA」、JR九州の「SUGOCA」と相互利用を行っている。
利用可能店舗は相互利用先の加盟店を含めると12万2,000店舗。JR東海の加盟店だけに限ると4,730店舗となっている。
サービススタート時は、JR東海の駅構内のキヨスクや自動販売機、グループの商業施設など585店舗だったが、2011年に入り、静岡県・三重県・岐阜県のサークルKおよびサンクスにTOICA電子マネーサービスを導入した。また、3月にはセブン-イレブンやファミリーマートでもTOICA電子マネーが利用できるようになった。
「TOICA電子マネーが駅から街の中に広がるにつれて、利用件数も着実に増えています。また、従来は駅の券売機等でしかカードに入金できませんでしたが、主なコンビニエンスストアではチャージを行うことが可能なため、お客様の利便性も高まっています」(JR東海 事業推進本部 担当課長(流通・トイカ電子マネー) 岡本志都子氏)
また、SuicaやICOCAの利用者が、出張や観光で訪れた際に利用するケースも多いという。名古屋以外の地域では豊橋のカルミアや静岡のASTY、パルシェ「食彩館」、セントラルスクエア静岡「グルメ館」などでもTOICA電子マネーが利用できる。また、2011年度下期を目途に、ジェイアール名古屋タカシマヤへTOICA電子マネーサービスを導入する予定だ。
TOICAの利用拡大に向け
加盟店と共同でキャンペーンを展開
TOICAの加盟店開拓については、同社自身が実施するとともに提携するカード会社と連携して行っている。ナショナルチェーンなどはTOICAのエリアだけではなく、交通系電子マネーに対応したシステム改修を行い、全国一斉にサービスをスタートするケースもある。アクワイアリングに関しては、1,000円程度の小額決済が多い加盟店を中心に営業を行っている。
同社では駅や列車内でのポスター掲出や利用者へのオリジナルグッズプレゼントなど加盟店と連携したキャンペーンなどを実施している。例えばファミリーマートでは2011年3月29日から、対象店舗において、TOICAで買い物すると、各店舗先着100名様にオリジナルデザインのクリアファイルをプレゼントするキャンペーンを行った。また、セブン-イレブンでは全国一斉に交通系電子マネーのサービスをスタートしたが、3月18日から4月14日まで、各交通系ICカードのキャラクターが集合した「陶器スプーン&ボウルセット」や「ハンカチセット」などの賞品が抽選で合計5,000名様に当たる「ピピッと買って当てようキャンペーン」を実施した。このようなキャンペーンを実施することで、店頭や駅で告知され、利用者の認知や関心も高まると同社では期待している。