大阪の大規模屋台イベントでスマホが決済端末になる「Tap to Phone」を運用した理由とは?

2024年9月17日10:40

ビザ・ワールドワイド・ジャパン(Visa)は、2024年9月13日~16日まで大阪城公園・太陽の広場で開催された例年10万人が来場するイベント「テレビ大阪 YATAI フェス!2024」に協賛し、会場内で30%キャッシュバックとなるVisaのタッチ決済専用レーンを設けた。会場ではフライトソリューションズ(以下、フライト)の協力を得て、手持ちのモバイルデバイスでVisaのタッチ決済の受け入れが可能になるソリューション「Tap to Phone」の「Tapion(タピオン)」を活用した。大阪でのキャッシュレス展開や「Tapion」の状況などについてVisaとフライトに聞いた。

池谷貴

右からビザ・ワールドワイド・ジャパン コンシューマーソリューションズ部長 寺尾林人氏、フライトソリューションズ 代表取締役社長 片山圭一朗氏。約10万人集まるフェスで「Tap to Phone」を運用

世界の2分の1の比率でタッチ決済拡大余地あり
「大阪エリア振興プロジェクト」実施

Visaでは、日本でタッチ決済を5年ほど積極的に展開しており、それが広がることで生活全体が便利・安全になることを目指している。新型コロナウィルス感染の影響もありキャッシュレスの進行が加速した。世界では現金支払いが8%減少した統計も出ており、米国を除く世界のVisaの対面取引のうち 80%がタッチ決済となっている。また、日本のVisaの対面取引のうち40%がタッチ決済となるそうだ。

2024年6月現在、日本でのタッチ決済対応カードは1億3,000万枚発行されている。また、実店舗でのVisa利用件数に占めるタッチ決済の割合は4割となるが、「世界の80%に比べるとまだまだ成長の余地があります」とVisa コンシューマーソリューションズ部長 寺尾林人氏は話す。

Visaでは、2024年4月にVisaのタッチ決済とデータの利活用により大阪の消費者の決済体験や利便性向上、中小の地域加盟店の持続的成長を支援する「大阪エリア振興プロジェクト」を開始した。第2弾からはVisa割も開始しており、第3弾からは「Visa割チャンス」を追加で実施している。すでに複数回の取り組みを行っているが、同キャッシュバックキャンペーンは今後も継続する方針だ。

「テレビ大阪YATAIフェス!2024」では、限定「Visaでタッチ 」キャンペーンを実施。「Visaでタッチ」キャンペーン専用レーンでの決済で最大30%キャッシュバックの特典を提供した(上限500円まで)。また、限定「Visaでタッチ 」キャンペーンの決済手段に「Tap to Phone」ソリューションであるフライトのTapionを導入した。寺尾氏は「中小加盟店でタッチ決済が広がることがテーマ。タッチ決済の利便性をより広く知っていただきたい」とTapion採用の経緯を話す。

スマホを決済端末にするサービスは政府も期待
ワンオペでの運用で利便性向上を

Tap To Phoneは市販のスマートデバイスを決済端末に変える技術だ。フライトでは2022年にTap to Phoneを提供すると発表したところ、当日に経済産業省から電話がかかってきたという。その背景として、キャッシュレス決済端末の提供で補助基金を出すなど政府は力を入れていたが、それでも導入費用が課題となっており、「3分の1のコストであっても特に地方の加盟店は抵抗があるからです」とフライト 代表取締役社長 片山圭一朗氏は説明する。政府も海外の動向を視察する中で、市販のスマホで決済をするソリューションに期待していたという。その後、フライトでは国内で他社に先駆けて「Tapion」のサービスを開始した。

今回のイベントでは約50店舗の屋台がフライトと加盟店契約を締結。各店舗にはTap to Phone対応のスマートデバイスを無償で貸し出している。加盟店が負担するコストは決済手数料のみとなる。Tapionはキッチンカーなどでの採用実績はあるが、屋台でも1人で対応するケースがあり、そういった店舗に利便性を実感してもらいたいとした。

屋台で使うことを想定して端末を貸出

Tapionでは機種ごとにデータがあり、スマホにカードや利用者のモバイルをどの位置に当てるのかを表示可能だ。また、端末に表示したQRコードを利用者のスマートフォンで撮影するとクレジットカード控えを出すこともできる。

QRコードを読み取ることでレシートを出力できる

フライトでは、Tapion検定を実施しているが、以前はNFCの読み取り反応が悪いスマホがあったというが、それがなくなりつつあるという。片山氏は「一瞬で終わる決済を一般の方にも体験していただければと思います」と話す。なお、専用レーン以外は各屋台が現金、キャッシュレスなど独自の支払い手段を提供した。

専用レーンではタッチ決済のみ利用可能(Visaブランド限定)

Tapionのセキュリティ、運用面の差別化は?
大阪・関西万博に向けて存在感高める

これまでのTapionの導入実績は非公表だが、タクシーで導入されるなどすそ野は広がってきている。国内ではTap to Phoneなどを提供するプレイヤーは増えているが、同分野では先行していると自負しており、他社とバッティングするケースはそれほどないとした。

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