2024年11月8日9:45
世界最大級のFinTechフェスティバルである「Singapore Fintech Festival(シンガポール フィンテック フェスティバル)2024」(SFF)が2024年11月6日~8日まで開催されている。
2023 年に150カ国から6万6,000人を超える参加者が参加したSFFは、政策、金融、テクノロジーのコミュニティが集まる世界的な場となっており、規制、イノベーション、テクノロジーなどの金融エコシステム構築に向けた貴重な場となっている。SFF 2024 では、持続可能な金融を推進するFinTechの役割から、AIが金融エコシステムに 透明性、信頼、包摂性をもたらす方法まで、重要な問題も取り上げている 。
フェスティバルの 6 つの主要テーマは「AIと量子のロードマップ 」「デジタル資産の青写真 」「次世代トランザクション」「持続可能性の実践」「経済格差を埋める」「明日の才能 」となっている。また、11月4日から 5日まで招待制の「Insights Forum 2024」も開催された。
会場では、金融機関や決済会社、ソリューションベンダー、ハードメーカー、国のパビリオンなど、さまざまな展示が行われている。決済や認証に関する展示も目立った。
Mastercardは、Sphere of Commerceと題して、クリプト、WEB3など次世代のコマース体験を提供している。AppleのVision Proを装着した人が資産情報にアクセスできる世界などを表現している。
Visaのブースでは、特許取得済みのNFCベースの技術ソリューションを提供するPi-xcelsが電子レシートを簡単に受け取ることが可能なソリューションなどを紹介している。
アントインターナショナルのブースでは、「Alipay+」や「Alipay+Wallet Tech」などの取り組みに加え、オールインワンの注文ソリューション「Alipay+ D-store」 を紹介している。
NETSは加盟店への付加価値サービスとして、加盟店向けのソリューションを提供している。加盟店向けに提供する端末に加え、「NETS SoftPOS」ではスマホなどのデバイスを利用して決済を受付可能だ。
Liquid Groupは、シンガポールの統一QR規格「SGQR+」の次世代フェーズである「roamQR」を紹介。roamQRは、シンガポールおよびアジア太平洋市場全体、さらにその他の地域での QR 決済の受け入れを可能にし、同社はスイッチングサービスを提供する。MASの概念実証の成功を受け、2024年第4四半期にシンガポールで取り組みを開始し、2025年第1四半期には国内および海外での展開を拡大予定だ。
TencentはVisaとリリースした手のひら静脈ソリューションのデモを実施。テンセント・パームは、掌紋と皮膚下の静脈のユニークなパターンの両方を検証し、精度の高い読み取りを保証するという。
Ingenicoのブースでは、決済端末機「AXIUM SX7000」を利用したEVチャージングのデモを実施。IP65 認定、IP65 認定、PCI PTS v6認定などを備える。今後は国内でも普及が期待されるという。
PAXのブースでは、CS70などの決済端末を紹介した。例えば、インドではコード決済とサウンドを組み合わせた端末が広がっているが、CS70は4G とWiFi 接続を内蔵している。1 つのデバイスで QR コードに対応し、スピーカーを搭載しているため決済時など音声で顧客に案内ができる。
Newland Payment Technology(NPT)とNewland Payment Technology International (Singapore) Pte Ltd.(NPI)は、日本のジィ・シィ企画と決済端末に関する販売店契約を締結すると発表している。ブースでは「N750」などの端末とジィ・シィ企画の店舗で必要なシステムを集約した「CARD CREW PLUS(カードクループラス)」との連携を紹介した。
SUNMIはネットスターズをはじめ、国内ではキオスク型の端末の出荷が伸びているという。同社では、Qualcomm(クアルコム)オクタコアプロセッサと4G+32ギガメモリを搭載した3rd Genarationの端末やプリンタなどを紹介した。
WISEEASYのブースでは、決済端末製品を展示した。同社の端末は日本企業でも採用されているという。
THALES(タレス)は、メタルカード、イノベーションカード、サステナブルカードなどを紹介した。
インフィニオン テクノロジーズは、Visa とMastercard の仕様に適合したオールインワンの生体認証決済カードソリューションである「SECORA Pay Bio」のデモを実施した。
NTT Digitalは、AmazonおよびStraitsXとともに、デジタルウォレット機能を事業者向けに提供する「scramberry WALLET SUITE」を用いた売掛金のトークン化に関するユースケースをAmazonブースで展示した。
NECは、人間に近づけたアバターを活用した「AIコンシェルジュ」のデモを実施した。
SMBCグループは1ホールの目立つ位置にブースを出展。インド・インドネシア・ベトナム・フィリピンで「マルチフランチャイズ戦略」を掲げており、投資を強化している。
LexisNexis Risk Solutionsは、セキュリティやプライバシーに特化したソリューションを紹介した。
SCSKは、統合アンチマネーロンダリングソリューション「BankSavior(バンクセイバー)」をPRした。
会場では世界各国のパビリオンも登場。日本ブースでも積極的に商品やサービスをPRした。ベンチャー企業に加え、金融機関のソニー銀行も出展している。