2025年3月27日8:30
カード情報入力の手間をなくす
非対面決済ツール「Click to Pay」
村城:では私から、「Click to Pay」のご説明をいたします。「Click to Pay」は、非対面決済のソリューションです。後ろに「Pay」が付くネーミングからウォレットサービスをイメージされる方がいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。

皆様は非対面、つまりオンラインで決済するとき、あらかじめ加盟店に登録してあるカード情報を用いて支払うことが多いのではないかと思います。けれど、初めて利用する加盟店など、その加盟店にカード情報が登録されていない場合には、カード情報を手入力する必要があったりします。このようなシーンをわれわれはゲストチェックアウトと呼んでいます。そのゲストチェックアウトで、「Click to Pay」を便利に使っていただけると考えています。「Click to Pay」は、ゲストチェックアウトのときに、カード番号や有効期限、氏名などさまざまな情報をいちいち入力しなくて済むソリューションです。
「Click to Pay」を使うには、事前に、カード会社から弊社のサーバにお客様の情報を登録していただきます。実際に決済するときには、加盟店と弊社のサーバがつながってその情報を参照するので、お客様はシームレスな決済体験ができるというものです。われわれはここ数年、対面におけるタッチ決済に注力してまいりました。その結果、タッチ決済はかなり浸透してきたと認識しておりますので、これからは非対面の決済において、この「Click to Pay」を、安全で便利な決済手段として浸透させていきたいと考えています。Visaは今年、日本だけでなく世界中で「Click to Pay」に注力してまいります。
「Click to Pay」の特徴は大きく3つあります。1つは先ほど申し上げましたとおり、決済時にカード情報の入力が不要だということです。これはEMVCoが定義しているフレームワークに則っておりますので、弊社だけでなく、EMVCo に参画しているブランドが使える機能になります。2つ目は、この技術はトークンがベースになっていますので、PANの漏洩の心配がなく、セキュアな取引ができます。3つ目は、デバイスに依存しないということです。iPhone、Android、どちらの端末でも使えます。さらにパソコンでもタブレットでも使えます。お客様目線で見れば、どのデバイスからでも同じお買い物体験ができることがメリットだと考えています。
「Click to Pay」を導入するメリットとしては、まず、カゴ落ちのリスクを軽減できることが挙げられます。決済にかかわるカゴ落ちの要因は大きく3つあります。1つはチェックアウトプロセスが複雑なために、途中であきらめてしまうということ。2つ目はサイトの安全性への不安。3つ目はカード決済の不承認です。「Click to Pay」を導入することで、まずこの1つ目の課題を改善することができます。2つ目、3つ目の課題についても、トークンを使うことによって、不正防止、承認率アップを狙えるものと考えています。カゴ落ちが改善すれば加盟店には収益が向上するというメリットがありますし、加盟店の収益が上がればイシュアの収益も上がりますので、決済エコシステムのプレイヤー全体の収益向上に貢献できるソリューションだと考えております。
「Click to Pay」の操作方法は、一般的な非対面決済と変わりません。特徴としましては、支払方法を選択する画面に候補となるカードが表示されるのですが、ゲストチェックアウトの場面でも、お客様が自ら手入力で登録していないカードが選択肢として示されるということです。お客様が複数のカードを保有していて、いずれのカード会社も「Click to Pay」で弊社と連携していれば、複数のカードが選択肢として表示されることになります。お客様はそのとき使いたいカードを、その都度選択して決済することができます。
カード会員にとって、ユーザー体験が向上するということは大きなメリットであり、それはイシュアにとってのメリットでもあります。そして加盟店にとっては収益向上を見込めることがいちばんのメリットです。
よりセキュアでUXに優れた本人認証技術
「Payment Passkey」の導入を推進
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