2025年11月18日8:10
公益社団法人2025年日本国際博覧会協会は、2025年11月17日に記者説明会を開催し、2025 年日本国際博覧会(大阪・関西万博)での完全キャッシュレスの成果を発表した。

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万博史上初の全面キャッシュレス
決済利用者満足度は9 割を超える
2025年4月13日~10月13日まで開催された大阪・関西万博では、大規模イベントとして、万博史上初となる完全キャッシュレスを実現。会場235店舗で73 種類におよぶ国内最多クラスの決済ブランドを導入した。前回のドバイ万博でもキャッシュレス決済が多く使われたが、現金での取り扱いもあったが、大阪・関西万博は現金を一切取り扱わない全面的キャッシュレスによる会場運営を実施した。
公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 企画局⾧ 河本健一氏は、決済利用者満足度は9 割を超え、店舗業務は現金管理に比べて決済関連作業に要する時間が約10 分の1 に効率化されたことなど、キャッシュレス万博の成果を述べた。特に店舗の現金管理の手間、現金管理のリスクが軽減されたとそうだ。また、決済利用者の日常生活におけるキャッシュレス利用意欲の向上も現れたそうだ。
一方で、手数料負担の課題や、キャッシュレス以外の選択肢がないという苦情も一部あったという。協会では、会場によって決済端末の無償貸与や来場者対応の体制を整備し、そういった声にも準備を整えたそうだ。
73種類の国内最大級の取扱ブランドを運用
学生など現金利用者への対応は電子マネーで
企画局 参事 谷川淑子氏は、全面的キャッシュレス決済運用の効果検証報告書について、説明した。大阪・関西万博は、① 会場内全面的キャッシュレスは、万博史上初、② 184日、累計来場者2,900万人規模は、日本初、③ 73種類の国内最大級の取扱ブランドを運用(好きな決済手段を利用できる)、④ 「JPQR Global」の国内初の導入、といった点が特徴の万博となった。さらに、万博をより楽しくするために万博独自の電子マネー「ミャクペ!」や、NECに加えて、顔認証決済(手ぶら決済)に対応した。
決済端末はSMBCグループ、POSシステムはNECからの協賛により提供している。会場内の235店舗には、博覧会協会が決済端末とPOSシステムを無償貸与(一部に限り有償)して運営を実施した。
キャッシュレス万博だが、学生など、キャッシュレス決済手段を持たない人に対するサポートも実施。現金派の人が不便にならない環境に向けて取り組んだ。現金をチャージして利用できる、交通系電子マネー、楽天Edy、nanaco、WAONなど主要な電子マネーをカバーし、会場でチャージしながら楽しめる環境を提供した。修学旅行生などに対しては、旅行代理店を通して、事前にブランドのカードを購入してもらい、来場してもらった。また、会場ではプリペイドカードの販売も行った。
現金チャージ機に付いては、TOPPANエッジからの協賛により、公式売店やレストランなどに65台の現金から各種プリペイド型電子マネーへのチャージが可能な専用チャージ機を設置した。現金チャージ機の4決済手段(交通系、楽天Edy、WAON、nanaco、AEON Pay)の平均チャージ金額5,594円/件。中でも交通系が最も利用率が高かったという。現金回収平均頻度は1回/日。会場内でのプリペイドカードの平均販売枚数は、チャージ入り1,000円が約27枚/日、カード単体200円が約5枚/日。来場者数2,900万人(約15万人/日)に占めるプリペイドカード購入者の割合は0.02% 。訪日外国人に対するキャッシュレス決済支援として、「Welcome Suica」の無償配布(平均配布枚数:約2枚/日)も行った(JR東日本協賛)。
来場者に対するキャッシュレスの周知として、同協会と(一社)キャッシュレス推進協議会は、大阪・関西万博の会場内での全面的キャッシュレスに向けて、キャッシュレス周知活動・機運醸成・イベント開催・キャッシュレス教育の普及・その他関連活動において、相互に連携・協力することを目的に連携推進協定を2024年6月19日に締結し、ポスターなどを設置した。
来場者アンケートとして、キャッシュレス決済に対する評価は総じて非常に高く、「現金よりも効率的・便利だった」と回答した人が9割超、「使いやすかった」と感じた人が8割超となった。60代以上でも9割が便利だと回答している。また、「今後、日常生活でもキャッシュレス決済を利用したい」と回答した人も9割を超えた。
決済手段や利用金額の分析
キャッシュレス万博の次の展開は?
全体の決済手段別の傾向では、SMBCグループやそれ以外のデータを分析している。また、決済データに基づく利用者の特徴は三井住友カードの協力を得ている。
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