2026年7月29日9:26
Adyenは、日本の小売事業者と消費者を対象に、小売事業の決済トレンドに関する調査「Adyen Index Japan Retail 2026」を実施した。同調査によると、日本の小売事業者と消費者のAIの買い物代行への意識に大きな乖離(かいり)があることが示唆された。
小売事業者の97%が今後2年間でエージェンティックコマースへの投資を予定している一方、消費者の62%はAIアシスタントに購入を委ねることに「抵抗がある」と回答した。このギャップの背景には、「AI時代のセキュリティリスク」があり、今後日本でエージェンティックコマースが普及するためには、事業者が消費者の不安を解消する適切なセキュリティ対策を示せるかどうかが鍵となる。
また、3人に1人以上の消費者が、過去12カ月間で買い物時にAIアシスタントを利用したことがあると回答した。ソーシャルメディアを含むオンライン上に膨大な情報が溢れる中、AIは「情報の雑音を整理し、最適な選択をするためのツール」として浸透しつつある。しかし、最終的な決済までをAIに一任することに対しては、依然として慎重な姿勢が目立つ。

アジア太平洋(APAC)地域の国々と比較すると、日本におけるAIアシスタントの利用率自体は37%とまだ低い水準にある。さらに「最終的な支払い手続きは自分で行いたい」と思う人の割合は、日本が21%となり、調査対象となった他国・地域(14〜18%、平均16%)を3〜7ポイント上回る結果となった。

さらに、消費者の慎重姿勢とは裏腹に、小売事業者は「エージェンティックコマース」の到来を見据え、急速に準備を進めているそうだ。事業者の87%が同概念を認識しており、ほぼすべての事業者が今後2年間で何らかの投資を計画している。
事業者が投資を急ぐ最大の背景には「決済リスクの管理向上およびAIの取引速度によって生じる課題への対応」がある。AIの取引速度や処理量の増大に伴い、本人認証や決済処理への影響が懸念されており、AI時代に見合った決済バックエンドシステムの刷新の重要性が増しているとした。
日本の小売事業者のエージェンティックコマースの認知度および投資意欲は、APACの他国と比較しても遜色なく、AI対応への危機感の強さはトップレベルだとした。
買い物体験におけるAIの普及に伴い、セキュリティー対策はバックエンドの課題ではなく、顧客体験そのものを左右する要素へとシフトしているそうだ。AI活用が日常で当たり前になるにつれ、消費者の安全に対する意識はこれまで以上に高まっている。実際、消費者の4人に1人以上は、「AIはセキュリティー面で不安だが避けられない」と考えているほか、「セキュリティーチェックが簡略化されてでも迅速に決済したい」と考える消費者は少数にとどまった。
「AIはセキュリティー面で不安だが避けられない」という回答が28%で首位となったのは、日本特有の傾向だという。APACの他国ではこの傾向は見て取れず、日本の消費者は他国と比べ、AIの利便性よりもそれに伴うセキュリティリスクに対して極めて敏感であると言えるとした。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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